【食べ物総選挙】夜食
「…はぁ…疲れたなぁ。」
会社帰りの電車を降り、ぽつりと呟いた。深夜の冷たい風が、頬を撫でる。
「コンビニでも、行くか。」
そう言って僕は、外の夜景をぼんやりと眺めながら、コンビニにへと向かっていった…
コンビニに入ると、商品をぱぱっと手に取り、会計を済ます。
取った商品は、チキンや袋麺、ポテトなどの食品…。
…そう、今日は家で夜食を食べるのだ…!
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「…ただいま」
そう言っても、返事を返す人はいない。…だが、そんなことを気にする意味もない!
今から食べる、美味しそうな食品たち。それを見ると、僕も心が躍ってきた。
まず、チキンから手に取った。袋の封を開け、チキンが顔を覗かせる。芳ばしいチキンの香りが、部屋全体に漂う。
そのチキンに、僕は齧り付いた。
サクサクとした衣と柔らかくジューシーなチキンから、まるで溢れ落ちそうなほどの肉汁がジュワッと出てきた。辛すぎず辛くなさすぎない絶妙な辛さと旨みに、一旦口にしたら止め処なく手が出てしまう。仕事をしてきた疲れを完全に忘れてしまえそうな美味さだ。
次は袋麺だ。袋から麺を出して作ると、味噌スープの香りが広がった。見ているだけで食欲がそそられてくる。ズズっと音を立て麺を啜ると、深く濃厚なコクのあるスープの味が口いっぱいに広がる。味噌スープの絡んだ太い麺は、文句無しの美味さだ。そして、ラーメンに乗ったチャーシューを口に運ぶ。豚のうまみと油のうまみが染み込んでいて、喉の奥が震えるくらいにうまい。このラーメンを食べていると、こんな美味いラーメン はあっという間に二人前は腹中に滑り込んでしまいそうだと思える。
最後に食べるのはポテトだ。噂によると、このポテトは普通のファストフード店のものよりも美味いらしい。期待を寄せながら、そのポテトを口に運んだ…
美味い!噂通りの美味さだ。ポテトらしいホクホク感と、絶妙な塩気がポテトらしい最高の味をしている。これを最初に作ったのはきっと、大のポテト好きの人だろう。そう思えるような美味さが、このポテトにはある。
そして、ケチャップをこのポテトにつけて食べてみたが、これも非常に良い。このポテトの塩気とケチャップの酸味がとても良くマッチしている。
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僕でさえも驚くほどに、あっという間に夜食は食べ終わってしまっていた。程よい満腹感と幸福感が僕の身を包む。
そうしていると、突然倒れ込むような眠気に襲われた。
「今日は、もう…ねるか…」
普段の寝付けなさも、会社の疲れも、布団に入る頃には完全になくなってしまっていた。
これが「夜食」の幸せさなのだなと思いながら、僕は眠りについた。