《不死川がお酒飲むってよ》
【不死川が酒を飲んだら】
今まで酒を飲んでこなかった不死川が、ある日居酒屋の個室で職場仲間と飲むことになってしまった。そんな話です。
キメ学軸/本編は❌印のとこから
ATTENTION
・宇髄さんと不死川さん以外殆ど空気
・胡蝶さんは姉の方です
・❌印より前は読まなくて結構
・腐ってるかと言われたら微妙なラインですし、果たして愛されてるのか・・・
・数ヶ月前に書いた駄文です
「ぷっは〜!生き返るぜ!!仕事終わりはやっぱりビールが一番だぜ!」
キメツ学園で教師を務めている宇髄、煉獄、冨岡、悲鳴嶼、胡蝶、不死川は勤務終わりに学校近くの居酒屋に来ていた。元々は宇髄の行きつけの店だったが、宇髄が職場仲間を誘ってくることがあまりにも多かったので、今では打ち上げと言えば“ここ“と言えるほど馴染みの店となっている。
「へいお待ちぃ!」
「ありがとうございますゥ。」
ビールの次に来たおつまみやら何やらが机に並べられる。六人で食べるのは些か量が多い気がするが、これが彼らの普通だ。いや、彼らというより煉獄か・・・。この六人の中で一番食べる量が多いのは煉獄だ。休み時間はいつも『うまい!うまい!』と言いながら弁当に齧り付いている。煉獄の次によく食うのは宇髄だ。居酒屋ではビール片手におつまみを貪り食っている。酔っ払いの宇髄に絡まれやすい不死川は絡まれる度にうんざりした顔をしているが、きちんと話を聞いてあげている。今だってそうだ。
「実弥ちゃ〜ん。慰めて〜。」
と、肩に腕を回され擦り寄られている。当の不死川は、『実弥ちゃんいうなァ。』と言いつつも宇髄の背中をぽんぽんしてやっている。流石マイホーム兄貴というところか。
「でェ?何があったんだァ?」
「謝花兄妹がまた問題起こしたんだよ〜。」
謝花兄妹は職員室では言わずと知れた問題児兄妹だ。度々他校の生徒と問題を起こしている。今回も他校の生徒と問題を起こしたようで、宇髄が謝りに行ったそうだ。せっかくの授業がない時限が潰れてしまった、と宇髄は愚痴を溢す。
「でもなぁ。なんでやったんだって訊いたらよぉ。『あいつらがお兄ちゃんを化け物って言ったの!!』って言われちまって。そんなこと言われたら怒るにおこれなくて。まぁ、とにかくいろいろ大変だったんだ!」
「大変だったなァ。」
謝花兄妹に手を焼かされた宇髄はせっかくの休みも潰れ、見知らぬ人に頭を何度も何度も下げる羽目になった。
あまりきちっとした格好が苦手な宇髄だが、謝るということで態々スーツに着替えたりもしたのだ。そして当の本人は謝りもしないし、理由を訊けば怒るに怒れなくなってしまった。自由奔放が取り柄の宇髄なりに頑張ったのだ。慰めてほしいと言うのも無理はないだろう。
「やっぱ持つべきものは実弥ちゃんだわ。」
「・・・そりゃどうもォ。あとその呼び方やめろィ。」
いいじゃねぇか呼び方くらい、とぼやく宇髄によくねぇんだよォ。と不死川が返す。
不死川が何度言っても宇髄は懲りずにちゃん付けをするものだから、不死川は怒りを越して若干呆れかけている。それでも『やめろ』ときちんと言うのが不死川だ。
「あーなんか話してたら酔い冷めてきたわ。俺ビール頼むけど実弥ちゃんなんかいる?」
「だーかーらー!その呼び方やめろって!」
まぁまぁ、と宇髄が適当に宥める。そんな態度も気に食わないのか、不死川がぷいっと顔を逸らして頬をぷくっと膨らませる。
「っちょ。さね、不死川!そっぽ向くなよ!!」
実弥ちゃんと言いかけたものの、きちんと不死川と言い直した甲斐あってか不死川が宇髄の方に顔を向け直す。目はジト目だが。宇髄は出来るだけ不死川に嫌われたくないのでふぅ、と息を吐く。
「・・・それで不死川は何か頼むか?」
「いや。俺はいいィ。」
「そう言えば不死川君はいつもお酒を頼んでないわよね。」
「よもや!飲めないのか?」
胡蝶が気になったことを口にすると煉獄がそれに便乗する。確かに不死川は何度か宇髄やらに連れられ今日のように居酒屋に来たことがあるが、酒を頼んだことはない。
「え。不死川飲めねぇの?」
「飲めるわァ!!」
宇髄の言葉に不死川が若干キレながら返す。出来ないのか?と訊かれると出来る!!と反射で答えてしまうのが不死川の良いところでもあり、悪いところでもあるのだ。
「じゃあ飲んでみろよ。」
「や、やってやんよォ。」
あれよあれよと乗せられ飲むことになってしまった。
先程も言った通り、反射で答えてしまうのは不死川の悪いところでもあるのだ。こう言う人間はちょっとした挑発に乗せられやすかったりする。
❌❌❌❌❌❌❌❌
「へいお待ちぃ!」
「あざっす。」
酒が届いた。一応不死川を思ってか、アルコールはそこまで強くない。そこまでと言っても人によるから、もし不死川が酒に弱かったら寄ってしまう可能性もあるだろう。
「実弥ちゃん本当に飲めるの?」
諦めるなら今のうちだよ?と宇髄が言う。
「いや。飲む。」
だが不死川は酒が入ったコップを持った。が、なかなか飲もうとしない。そんな不死川をみて周りが心配の言葉をかける。
「南無・・・別に無理して飲む必要はない。」
「悲鳴嶼さんの言う通りよ。飲めない人はこの世にいくらでもいるわ。わたしの妹だって飲めないし。」
「(何もうまく出来ない)俺と(いろいろなことをうまく出来る)お前は違う。(だから酒が飲めなくても幻滅しない)」
「悲鳴嶼さんありがとなァ。胡蝶も。けどお前の妹が飲めねぇのは未成年だからだろォ。あと冨岡。テメェは喧嘩売ってんのかァ??」
不死川の言葉に胡蝶が恥ずかしそうに頬を染め、冨岡は『違う。』と真顔で返した。不死川は冨岡のそんな態度に少しイラッときたものの、頑張って怒りは沈めた。
「不死川、本当に大丈夫か?」
「・・・宇髄。」
宇髄は心配していた。先程自分が『実弥ちゃん。』と呼んだのに、怒られなかったのは切迫詰まっているからではないかと思ったからだ。が、自分が言い出したことなので少しバツが悪く、心配の言葉をあまりかけられなかった。
でも、コップを持って動かなくなった不死川の目の焦点があってなかったので声をかけたのだ。
「・・・実は、俺ェ。」
何を思ってか、話し始めた不死川。誰かの喉がゴクリとなった。
「酒、飲んだことねぇんだ。」
え。と何人かが声を漏らした。途端、
「お前そのツラで酒飲んだ事ねぇの!!?マジか〜!!!あははは!」
宇髄が吹き出した。うるさいほど。
「よもや!そんなこともあるのか!」
「やはり(軽率に酒を飲まない不死川は)俺とは違う。」
突然笑い出した宇髄。そして話し出した煉獄、冨岡を不死川は呆然と見る。そんな不死川を見ながら胡蝶はふふ、と笑い、悲鳴嶼は愛おしむような目で不死川を見た。
「そうか。そうか。お前これが初めてかぁ。あのツラでなぁ。」
笑いを堪えきれてない宇髄が言う。不死川は相変わらず呆然としている。
「それにしてもなんで不死川君は今までお酒を飲もうとしなかったの?」
「あ。それ俺も気になる。」
胡蝶の言葉にやっとの思いで笑いを堪えきった宇髄が便乗する。側からみたら強面な不死川が今まで酒を飲んでこなかった理由が気になったのだ。
「あ、ああ。実はなァ。うちの親父は凄く酒癖が悪いんだ。それで、俺親父に似てるとこあるから、俺も酒癖悪かったらどうしようかなァって思ってェ。考えすぎかもしれねぇけどちょっと怖くてェ。ほら、うちチビが家にいるから迷惑もかけたくねぇし。」
確かに不死川の父親は酒癖が悪く、自分の家族に暴力を振るうほどだった。不死川も父親の暴力に苦しみながら生きてきた。だからもし自分が加害者になってしまったら、と考えると怖くなってしまいなかなか酒に手をつけることが出来なかったのだ。
「不死川は不死川だ。お前とお前の父親は違う。」
「・・・冨岡。」
冨岡が珍しく良いことを言った。と、その場の殆どの人間が思ったはずだ。
冨岡は悔しいことにイケメンなので、この部分だけ切り取ってみたら誰の目にもスパダリのようにうつるだろう。
「そうだ!冨岡の言う通りだ!!不死川と不死川の親父さんは違う!それに今は私や宇髄、悲鳴嶼さんもいる!良い機会だ!飲んでみてはどうだ!!」
煉獄がいつもより凛とした目で不死川を見つめ、言い放った。
「そうだ!もし不死川が暴れたとしても俺がなんとかしてやるぜ!なんてったて俺は祭りの神だからな!!」
「そうだ。安心しろ不死川。ここには私もいる。」
「わ、わたしだって不死川君の味方だからね!」
「・・・ありがとなァ。」
皆の言葉に不死川が年相応、いや、もっと幼さく、あどけない顔で優しく微笑んだ。
不死川がこんな顔を見せる時はおはぎを食べている時や、自分の家族に対する笑みの時しかないので少しドキッとしてしまったものもいるだろう。
「よし。飲んでみるわァ。」
頑張って。頑張れ。など応援の声が飛び交う。
ドクン、ドクン、と己の鼓動が不死川の脳に直接届く。プルプルと手が震える。それでも不死川は止まらなかった。
ゴクリ
不死川がコップの中身の酒を飲んだ。
「だ、大丈夫か?」
「今のところはァ。」
緊張が解け、ふにゃりと座布団にへたり込む。
不死川は初めて飲む酒に若干の違和感を感じたものの、すぐに暴れ出す、なんてことがなくてよかった、と少し安心していた。
「まぁすぐ酔う、なんてことは多分ないから、普通にお酒飲みましょう?ほら!パーっといきましょう!」
胡蝶の言う通り、飲んだ瞬間すぐ酔う、なんて人は少ない。
だから普段通りわいわいしながら酒を飲み進めていき、不死川が酔ったところで暴れるか暴れないかを確かめる。と言うことになった。
文字数足りなかったのでもう少し後に続き投稿します。
小説は初投稿なので優しくみてもらえれば・・・