【代理過去小説】生きる意味をなくした俺。#2 悪魔として生まれた俺。

俺はもう，生きる理由を失った。

今の俺は，優希として愛されている。俺の存在なんかどこにもない。母親の記憶には，優希しかないんだ。…死んだって，優希が自殺したことになるだろう。今から消えても…誰も悲しまないはず……。

そう思った後，俺は歩道橋の一番上まで登った。そして一粒の涙を流しながら，最期にこう言った。

「次は……誰か俺を愛してください。」

俺は道路へ真っ逆様に落ちた。

これでいいんだ……そう思っていた。

青結:あれ……ここは…。

目を覚ますと，俺は見知らぬ空間にいた。それに，俺の体からは黒い羽が生えていた。

悪魔:よう新入り

青結:誰だ！！

悪魔:安心しろ，お前と同類だ

青結:同類…？

悪魔:俺は上級悪魔だ。ここは魔界。悪魔が住む世界だ。

青結:て…ことは……。

悪魔:そうだ。お前は一回死んでから転生したんだ。そしてこの魔界に俺が魔術でお前を呼び寄せたんだ。

青結:…………なんで俺なんだよ。他にも才能ある奴たくさんいるだろ。

悪魔:まあ，人間を悪魔に転生させて召喚するのはランダムだからな。その中でお前が選ばれたんだ。

青結:………………。

それから俺は，70年ほどずっと悪魔として生活していた。そのおかげで，元人間だった俺は，中級悪魔まで成長した。まあまだ上級悪魔には程遠いけどな…。

そう思っていた俺がバカだった。

悪魔:侵入者だ！！排除しろ！！！

下級悪魔達:イエッサー！！

悪魔:お前も行け！！

青結:でも…戦うのは下級悪魔だけと聞いて…。

悪魔:下級悪魔の数が足りないんだ！！他の中級悪魔も数十人は行かせてある！！早く行け！！！

青結:は，はい………。

侵入者か…。できるだけ簡単に終わらせないとなぁ……。この後もボスから命令受けてるし………。

？？？:へぇ……ここが魔界なんにゃねぇ…？天界と全然違うにゃん……。

天…界……？天界の奴らには……俺たち中級悪魔以下は…ほぼ勝てないって書に書いてあった……けど………。…………俺，また死ぬのかあ。

「また転生できたらいいんだけどなあw」