武道
「お前は素晴らしい。」
男は何も答えない。
「鬼となり、共に研鑽を重ねよう。」
「人を喰う化け物に、私がなると思っているのか?」
「残念だ、お前、二十歳もすぎるだろう。」
限られた強い者も、時が経てば朽ちて行くばかりだ。
「残念だよ、あのお方がお認めくだされば強き肉体は永遠にお前のものだというのに。」
終わらせよう、上手くいかなければこいつも殺してしまうほかない。
「破壊殺.羅針。」
「雷の呼吸、壱の型‥」
「やめておけ、お前の一撃は素晴らしいが、人間ではすぐに遅くなる。」
心臓を刺し貫く。
「時があれば至高の領域へ行けたかも知れぬというのに、虚しいことだよ。」
生温い感触を確かめるが、こいつの命はここまでだ。
「これはお前の血だ、素晴らしい肉体と剣技の才を持ったお前の、虚しくはないのか?肉体の全盛を迎えていたというのに‥」
この血を洗い流して、俺はまた鬼狩りを倒しに行くのだろう。
「どれほど鍛錬を積もうと無駄に終わるのだ、人間ではいずれ老いてしまう。」
なぜわからない、なぜ話を聞かない?俺は機会を示している。
「惜しいな、惜しい。」
初めて全国に行ったときは、見事に負けた。
悔しかった、いっぱい泣いた。
けど、一人じゃないから、私にはおじいちゃんやみんながいるから。
「‥押忍!」
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