かは誰時
夜の闇の中でも、星はきれいだ。
「ほら。」
恥ずかしいからあまりやりたくないけど、これは特技だから。
「すげ〜!」
青い炎、もう何度も見せているが、ここには初めて来る子もいる。
「内緒だよ?」
口に指をつけ、少しイタズラっぽく笑う。
これはちょっとした冗談、みんなは僕が人間じゃないのを知っているから。
「にいちゃんそれどうやるの!?」
「わ!?」
ものすごく元気だ、好奇心で目がいっぱいに輝いている。
「これはさ、練習してできるもんじゃ‥」
恥ずかしい、みんなかわいいから。
「あっ、尻尾出てる!」
「あ〜、たんまたんま!」
体が熱い、頭に血が集まっている。
「かわいいお狐さんだね。」
「ありがとう、ございます。」
綺羅さんは、僕にいていいって言ってくれた、大事な人。
「ふさふさ〜。」
尻尾に夢中なこの子たちは空手道場の門下生。
「あんまり触らないで、くすぐったいから!」
尻尾を引っ込める。
「みんな、お参り行くよ!」
お祭りの前には神社にお参りするのだ。
石段を登り、手を合わせる。
「ん?」
なんだ?何がいる?
「下がって!?」
目の端に捉えた、影を。
「やあ!」
人影、だが妙な感じだ、変な匂い。
「なんだお前は!」
「俺は、腹が減ったんだよ。」
階段から蹴り落としたはずじゃ‥
「鬼なんて、いてたまるか!」
いいねを贈ろう
いいね
3
このトピックは、名前 @IDを設定してる人のみコメントできます → 設定する(かんたんです)
トピックも作成してみてください!
トピックを投稿する