仮面ライダービルド LOST 1章
「俺はこれから全てを忘れる。だが必ず、世界を救うための力を手にして戻ってくる。」
それはとても、遠く、忘れてはいけないような記憶だった...
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「ここは...どこだ...?」
天才物理学者、桐生戦兎は見知らぬ森の中にいた。
「...?なんだこのデバイスは...」
戦兎は腰の装着されているベルトのようなものに目をつける。ハンドルのようなものがついていて、スロットが2つある奇妙な構造だった。
彼は何も知らない。記憶にあることは、自分の名前など身分を証明するための基本的な情報ぐらいだった。
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「見知らぬ場所で迷子になるなんて...最ッ悪だ...」
何時間歩いても同じような景色ばかりを見る。
煙に巻かれているような状態だった。
「うん...?何かいるぞ...!」
それは人形の人間とは違う生物だった。
そしてそれは桐生戦兎に襲いかかった。
「うわっ!なんだ!」
モロに喰らうとまずい。それは直感でわかった。
だが非常にまずい状況だ...逃げてもおそらく追いつかれる。今の戦兎にその怪物を倒す手段はあるのか...?
戦兎はポケットの中に何かが入ってることに気がついた。
「なんだこれは...?」
赤いボトルと、青いボトル。何故か手にしっくりと来るような感覚がした。
「...」
戦兎は自然とボトルを振り始める。使い方は体が覚えているようだ。
そして戦兎は2本のボトルをベルトのスロットに装着する。
『ラビット!タンク!ベストマッチ!』
ベストマッチ...その言葉はとても懐かしく感じた。
戦兎は無言でベルトのハンドルを回し始める。
『Are you ready?』
その言葉は自然と発された。
「変身!」
『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!』
ライドビルダーによって生成されたアーマーが桐生戦兎の体に引き寄せられ、纏う。
彼は【仮面ライダー】に変身した。
「なんだこれは...」
そう言っている間にも怪物は襲いかかってくる。
やるしかない。と言わんばかりに戦兎は怪物にパンチを繰り出す。
ガンッ!と激しい音がなると、怪物はよろける。
「...これならいける...!」
そう言うと怪物に勢いよく飛びかかり、何度もパンチをする。
感覚で怪物の弱りを感じた。
「トドメだ!」
そう言う頃には気づくとドライバーのハンドルを回していた。
『Ready?Go!ボルテックフィニッシュ!』
怪物は固定され、強力なキックをモロに受ける。
突き抜けると怪物は爆散し、消えていた。
「ん...?またこのボトル...」
怪物が持っていたのだろうか、そこには茶色のボトルがあった。
「それにしても、いつになったらここから出られるんだ...」
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桐生戦兎のその日の気分はとても良かった。
何故なら、ついに森を抜けることができたからだ。
だがその喜びも一瞬で消え失せた。
「なんだよ...これ...」
森を抜けた先にあったのは、ただただ広いだけの草原だった。
「いや...森があったんだし、他にもなんかあるはず!!」
そう信じて走り続けること数十分。
願いは通じたのかある建物に着いた。
「なんだ...?ここ...廃墟か...?」
中に入るとそこにはさっきの怪物がいた。
「うわっ!またかよっ!」
怪物が襲ってくる...その瞬間
「オラァッ!」
怪物の後ろから現れた人物が、怪物を蹴り倒す。
怪物は爆散し、消える
「戦兎じゃねぇか。ようやく知人に会えたぜ。」
そう言われるが
「...誰なんだ...?あんた一体...」
今の戦兎の記憶には存在しない人物だった。
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