最後に笑うのは誰?
夜という闇が、今日という日を包み込む。
空自体は漆黒だが、街は明るく賑やかだった。
10月31日、ハロウィン。
街中のみんなが気合を入れて仮装している。
隣を見ると、私の友達の燐音と真衣が楽しそうに笑っていた。気合を入れている…。
——それは、私たちもだ。
だが、私たちには明確な目的があった。
それは、代々この街に伝わる『都市伝説』を試すことである。
そのために、都市伝説をまとめた本まで持ってきたのだ。何が起こるのか楽しみだ。
「ハロウィンの日、仮装して洋館の前にあるカボチャのオプジェの前に立つ。そして、目を瞑って『トリトラップッテオ』と3回唱える。」
本の内容を読み上げる私を見て、2人の顔に緊張が走った。
「大丈夫かな…」
「呪われたりしないかなぁ…」
「大丈夫だよ、都市伝説なんかが存在するわけないじゃん。」
これが本当なのか、ただの作り話なのかが気になって仕方がなかった。
私たちは、バッチリと仮装を整えてきた。
そして、洋館の前にあるカボチャのオプジェの前に恐る恐る立つ。
カボチャは不気味に光り、私たちを見つめているかのようだった。
目を瞑る。
やっと、心臓が高鳴る。
緊張が一気に込み上げてくる。
これだ、こうこなくちゃ。
「や…やろう。」
真衣のか細い声で、3人は力強く頷く。
私たちは、声を揃えて呪文を唱えた。
「「「トリトラップッテオ、トリトラップッテオ、トリトラップッテオ」」」
目を開けると、周囲の空気が一変した。
カボチャのオプジェが、炎のように揺れる。
心が、体が、熱くなる。
二人を見ると、青ざめているかのようだった。
「……試練。」
「…え?」
私が絞り出した言葉に、2人は目を丸くした。
…バレてしまった。
バレたなら、しょうがない。
私は変わった。
——吸血鬼の姿に…。
元々ヴァンパイアの仮装をしていて、隠す必要がなかった。
だが、風で仮装が飛んでいく。
終わりだ、これで全て。
恐怖に溺れている2人を見て、私は心の奥底から笑い声をあげた。
さあ、最後に笑うのは誰?
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