玩具お指輪。瑠璃編
「瑠奈って目綺麗だよね!」
「え?きゅ、急に何?」
「別に〜、思ったことを言っただけだよ!」
私は瑠璃。親友の瑠奈とは子供の頃からずっと一緒だった。私はいつも思う。瑠奈の目はきれいだと。大きな瞳と黒色の目、綺麗な二重。それだけじゃない。笑った顔も泣いてる顔も怒った顔も眠ってる顔も全部全部可愛いし綺麗。誰にも見せたくない。本人には言えないけど私は瑠奈が好きだ。私達は幼稚園の時に出会った。
「はじめまして!わたし、るな!あなたは?」
「る、るりはるりだよ。」
「るりちゃん!わたしたちなまえにてるね!」
「...!うん、すごいにてるね!あのね、おねがいがあってね」
「?おねがいってなぁに?」
「るりとおともだちになってほしいの!なまえにてるしなかよくなれるとおもってて」
「!おともだち!いいよ!ずっとおともだちね!」
「うん!ありあと!」
私は泣き虫でよく泣いて先生や友達を困らせていた。そのせいで幼稚園では孤立していた。そんな私に手を差し伸べて笑いかけてくれたのが瑠奈だった。それから私の事を守ってくれた。それは今もそう。たまにナンパされていたりからかわれたりすると「やめなよ」と私の前に出てくれた。そんな瑠奈は私の憧れでヒーローで初恋の人。でも普通は男の子を好きにならなきゃいけない。だからこんな気持ちは捨てなきゃいけない。そんなことは分かってる。でも他の人と仲良くしているのを見るともやもやする。この気持ちはどうすれば良いのだろうか。
〜数日後〜
瑠奈に彼氏ができた。瑠奈は照れて、彼氏は嬉しそうに笑っている。
「告白してくれてね、付き合うことになったの。」
「あぁ...そう...なんだ、そっかそっか...おめでとう...」
「ありがとう。瑠璃。」
「ありがとう。瑠璃ちゃん」
私はその日は悲しみに暮れた。二人が楽しそうに話してそれを見るたびに心がチクチクと痛む。私は彼氏を睨む。あの子の...瑠奈の隣は私のものだったのに。授業が終わり私は瑠奈の方をちらっと見る。すると瑠奈は彼氏さんと楽しそうに笑っている。あぁ、あぁその場所は。瑠奈の隣は私のものだったのに。一番近くで瑠奈のことを見ていた。私のほうが瑠奈のこと好きに決まってる。なのに何でそちらを選んでしまったの...瑠奈。私は瑠奈に背を向け一人で帰路につく。初めて一人で家に帰った。隣を見ては独り言を呟く。
もうあの場所は私の物では無くなってしまった。瑠奈は...もう私の事を見てはくれないのだろう。そんなの、そんなの嫌だよぅ。家に帰ると布団にくるまり大声で泣いた。これまでずっと我慢していたものが溢れ出て一生分泣いた。私は真っ暗になるまで泣いた。涙が枯れ喉も枯れた。私は布団から出ると机になにか置かれているのに気付いた。母の置き手紙。『失恋したからってそんなに泣かないで。自分の素直な気持ちを伝えなさい。』隣にはのど飴とぬるくなったポカリスエットが置かれている。私はのど飴を食べ、ポカリを飲んだ。ばっちりメイクをして髪の毛を整え服も着替える。初めて瑠奈と買い物に行った日に買ったお洋服。背が小さいからまだ入る。そして小さい頃に瑠奈からもらった玩具の指輪。しっかりと指にはめ玄関を勢いよく開ける。私は瑠奈の家まで走る。瑠奈を手に入れられなくてもこの気持ちだけは伝えたい。

