玩具お指輪。瑠奈編
「瑠奈って目綺麗だよね!」
「え?きゅ、急に何?」
「別に〜、思ったことを言っただけだよ!」
瑠璃の方が綺麗じゃない、そう言いたい。私は瑠奈。瑠璃とは幼馴染。小さい頃からずっと一緒だった。今は明るく笑ってるけど昔は泣き虫でよく泣いていたっけ。昔のことを思い出し私は思わずクスクスと笑ってしまう。
「え?なになに?急に笑いだして、」
「昔のことを思い出していたの。昔は泣き虫だったなぁって」
「わ、忘れてよぉ!」
そう言って瑠璃は怒る。そんな顔もとっても可愛い。学校が終わると瑠璃が話しかけてきた。
「ねね!今日はクレープ食べに行くんでしょ!」
すっかり忘れていた。今日はやらなきゃいけないことがあるのに。どうしよう。
「う〜ん...まぁいいか。うん!そうだね。先に靴箱に行ってて。」
「うん!苺の特大クレープ!楽しみだなぁ...」
瑠璃は私に後でね!と手を振る。私は手を振替し瑠璃が行ったのを確認した後髪飾りに隠した小型カメラを取り出し、スマホで確認する。バッチリ撮れてる。家に帰ったらビデオにしよう。私は瑠璃の待つ下駄箱へ向かう。瑠璃はこちらに気付いたのか満面の笑みを浮かべる。私は瑠璃にニコッと笑いかける。
「ごめん、おまたせ!早速行こうか。クレープ売り切れちゃう」
「うん!行こうクレープ楽しみだなぁ!」
目的地につくと私は瑠璃に特大苺クリームマカロンクレープを渡す。美味しそうに頬張って、まるでリスみたいだ。私はバナナチョコクレープ。別にバナナは好きじゃない。けど...
「うぅ、瑠奈のバナナチョコも美味しそうだねぇ...ねぇ一口くれない?」
「はいはい、良いわよ。一口ね」
瑠璃は大きな口でパクっと食べる。口元に沢山付けて頬張っている。瑠璃はいちごも好きだけどバナナも好き。だから私は好きでもないバナナを頼む。
「ふー美味しかったねぇ!また食べに来ようよ!」
「えぇ、とても美味しかったわ。バイト代が入ったらまた来ましょ。」
「うん!今度は私が奢るね!」
隣でニコニコと笑う瑠璃。あぁなんて愛しいの。でもこの子には好きな子がいるらしい。その恋を邪魔してはいけない。どうせなら監禁して私だけのものに...おぉっといけない。そんな事したら怖がってしまう。この気持ちは封印しなきゃいけないのに...
〜数日後〜
私に彼氏ができた。まぁもちろん偽のだけど、なんでも言い合える友達。彼氏のふりをしてと言うと面倒くせぇと言いつつやってくれた。
「告白してくれてね、付き合うことになったの。」
「あぁ...そう...なんだ、そっかそっか...おめでとう...」
「ありがとう。瑠璃」
「ありがとう。瑠璃ちゃん」
瑠璃はそのまま悲しそうな顔をしてフラフラとどこかへ行ってしまった。授業中も魂が抜けたようにボーっとしている。大丈夫だろうか...授業終わりの鐘がなり友達がやってきた。
「なぁ、瑠璃ちゃんにすっげぇ睨まれるんだけど...」
「へ〜そうなんだぁ...チッ」
「なんで舌打ちしたの!?俺なんか悪い事した!?」
「いや、羨ましい〜と思って」
「ヤバいねお前...それよりなんで俺等笑顔で話してんの?」
「バレたら困るからに決まってんだろボケが」
「怖っ!?」
やっと放課後だ。さぁ帰ろうと立ち上がる。瑠璃の方を見るとフスフスと呼吸している。体調が悪いのだろうか。やっぱ心配だな。
「なぁ、今日一緒に帰るのか?」
「テメェは馬鹿か。私が瑠璃意外と帰るわけねぇだろ」
「怖っ!?でも瑠璃ちゃん先に帰っちゃったけど」
「...!?」
瑠璃はトボトボと帰っている。それを後ろから見守る私。...完璧☆独り言をポソポソと呟いて...変な宗教にでもハマっちゃったかな?宗教関係は追っ払ってきたんだけど...私は離れたところから望遠鏡でジーッと見る。時々変な視線を向けられるが気のせいだろう。瑠璃は立ち止まる。何か喋っている?ここからじゃ聞こえない。そんなときは盗聴器。私は耳につけたイヤホンの音量を上げると鼻を啜る音が聞こえる。泣いている?
「今行くからね!待ってて瑠璃!」
「それじゃぁ意味ねぇだろ。」
友達が後ろからバッグを掴んできた。私が頼んだ理由は私が瑠璃に執着しないように見守ってて。と頼んだ。友達は「月一回プリン奢れ」という事で手を売った。だけど心配だ。泣いていたら何かあったのか?と考えてしまう。瑠璃は昔泣き虫ででもそれを隠そうとしていた。隠せてないけど。一人で抱え込まないでほしい。そのまま家まで見送ったけど特に何もなかった。すぐにケロッと泣き止んで家に入っていった。
「俺等も帰るぞ」
「...うん」
私は自分の家に帰る。瑠璃の家から少し離れたところにある。自室に行って布団にボフっと沈む。昔は私が慰めなくちゃ泣き止まなかったのに。一人で泣き止んで...もう私はいらないのかな。それって...それってなんか、嫌だなぁ。目の端から涙が流れる。静かに目を閉じる。もし私じゃない。違う人が瑠璃の隣りにいたら?それがもし瑠璃の彼氏だったら?瑠璃は私のものなのに。でも...でも...あの子の恋は邪魔しちゃいけない。だけど...
「瑠璃、私...彼氏は許さないんだから」
そうだ...あの子にはお友達はいないわ。私が関係を断ち切ってきたから。だから彼氏なんてできるはずがない。そう、そうよ。安心した。私はそのまま眠ろうとする。顔に冷たい冷気が吹きかかる。私は飛び起きると目の前に友達がいた。
「家の前に瑠璃ちゃんいるぞ。出てきてあげたら?」
「瑠璃が!?うん、分かった...ってかどうやって入ったの?」
「ベランダ。はよ行けって」
「うん...うん!行ってくる。」
バタバタ...
「...俺も好きなんだけどなぁ」
私は玄関をガチャっと開ける。瑠璃は顔も首も耳も真っ赤にして立っていた。

