馴染みの味
僕は飲食店で働いている大学生。
最近は外食も増えているらしく休んでいる暇など無い。
「すいませ〜ん!」
「は〜い!今行きます!」
僕のことなどどうでもいい。
それより最近気になるのは新しく出来たメニューのこと。最近ミートパスタを店長が新メニューとして出したのだ。そこまでは良いのだがミートパスタを食べた人はそれから毎日のように同じメニューを頼み食べて帰っていく。一日一回なら良いのだが、それが一日三回あるのだ。もしかして朝、昼、晩、同じメニューなのだろうか?...飽きるだろ。でもそこまで美味しいのなら食べてみたい。
「店長、僕ミートパスタ食べてみたいんですけど」
「あぁ、じゃあ今日のまかないで出してやるよ」
思い切って言ってみたけど...良かった。今日のまかないが楽しみだ。
やっと自分の休憩時間になりスマホを取り出す。ニュースアプリの通知が鳴り止まない。少しだけ見よう、とアプリを開くと一番上に物騒な言葉が出てきた。
「『一日に5人、殺人事件』...!?」
最近は物騒になったもんだ。僕が若かった頃は...ってまだ僕も若いか。それよりこれ場所が店長の家の近くじゃないか。濡れ衣着せられなきゃ良いけど。それかもしかして店長が...そ、そんな訳無い。だって店長は凄く優しいしニコニコしていてカッコイイ方だ。そんな人を疑ってしまうなんて...バイト失格だな。
そろそろ休憩が終わる。...が客足も少ないしこのまま閉店になるかな?やっとまかないが食べられる。
「こ、これが...いただきます」
ミートパスタにありつけた。見た目は...普通。味は...まぁ...美味しいな。独特な甘み、鉄のような風味。でもなんでこれを食べるために...何を使ってるんだろう...それか宗教的な...
「これ...実は人肉を使ってるんだ」
あぁ...だからか。食べたことの有る味だと思った。驚いたが...納得のほうが強い。まぁ美味しいけど何度も食べるような味でもない。まぁこの味を食べられる場所は少ないから僕はここのバイトを続けてまかないとしてこれを貰うだろうな。
どうしても忘れられないんだ。馴染みのある味。そして僕が大好きな味。

