辛島姉妹と僕の謎解き1
僕は【佐藤 悠真】。今は平和に...え?なに?なんかドタドタ聞こえ...(バン!)
「ちょっと!私のプリン食べたの誰!?せっかく生徒会室の冷蔵庫に入れてたのに!」
「ちょっと〜、お姉ちゃん!静かにしてよ〜今猫のゴロゴロ音聞いてたのに〜」
この人達は僕の友達。生徒会室の冷蔵庫にプリンを入れる肝が座った女の子が【辛島 氷華】。会長に怒鳴られても呑気でいられる女の子が【辛島 炎華】。
「ねぇユーマく〜ん。お姉ちゃんが意地悪してくる〜」
「はぁ!?どうせまた炎華が私のプリン食べたんでしょ!」
「違うって〜!」
「あ、あはは...二人とも落ち着いて...。ほら、大声を出すと猫ちゃんの音聞こえないし...こ、こんな事言うのもあれだけど氷華さん、生徒会室の冷蔵庫は公私混同になっちゃうから...」
ダボッとした制服の袖をいじりながら二人の間に割って入る。氷華さんは銀髪を猫のように逆立て僕を睨む。目は怒りの赤とお気に入りのプリンが無くなった悲しみの青が混ざって綺麗な紫色だ。
「佐藤くん。あなたはどっちの味方なの?私の娯楽が消えたのよ?」
「お姉ちゃん怖いよ〜!ユーマ君、助けて〜!」
炎華さんは僕の背中に隠れてひょっこり顔を出し氷華さんをくすくすとまるで悪戯っ子のように笑っている。...でもなにか...引っかかる点が...冷蔵庫を見ると指紋はついていなくて誰も触ったように見えない。
「炎華さん、食べてないよね?」
「?うん、私嘘はちょびっとしかつかないから」
「氷華さん、プリンは昨日の夜までにはあった?」
「?えぇ、確かに有ったわ。50回確認したもの」
...50回も確認しなくていいと思うけど。部屋の隅にある窓の鍵に目をやった。
「おかしいな。生徒会室の鍵はかかってたはず。なのに冷蔵庫の中身だけだ消えて......これただの盗み食いじゃないかも」
真剣な顔でそう言うとさっきまで言い争ってた二人は大人しくなり空気が一変した。氷華さんは冷静な水色の瞳で炎華さんは好奇心で期待の黄色の瞳になる。
「なにか気付いたの?」
もっちりした手を顎に当てる。少しだけ凹みそうになりながらも(ミステリーの最初って怖いから)、深く考えた。
「この部屋...微かにバニラじゃない変な匂がするんだ」

