東方異邦伝、名を背負う者、名もなき者
「あの子を回収してきなさい、放っていたら死んでしまうし」
八雲紫のスキマを使えるのは彼女とその式神だけだ、幻想郷の賢者にとっては、博麗の巫女に異変の顛末を任せるものだが、あの子供は特別だ。
「霊夢ちゃんや半霊とも違う、普通の人間が魂魄家の剣を習っているなんて、面白いじゃない」
「アレの始末は紅魔の者と霊夢がつけましょう、紫様」
アレは、なんだ?
幻想郷にあんな真っ黒なものがいたか?
「フランのニセモノ、なんでしょうけど‥」
「二回も同じ異変起こすんじゃないわよ!」
「キレるのそこかよ!?」
「あの時だってあんたら姉妹の喧嘩が終わってやめてくれるかと思ったらなんか流れで戦ったし、あの黒いのは話も通じないし」
姉妹喧嘩が決着して、霧を引っ込めてくれるかと思ったら魔理沙とタッグバトルをする羽目になった。
だがアレがなんならかフランを模倣したものなら、天才タイプの巫女様には、なんら
問題はない。
「前と同じでいいわよね?」
夢想封印を発動する隙を作るにも、フランの劣化版模倣品みたいなこの真っ黒お化け相手は簡単だ。
「魔理沙、一発ぶちかましなさい」
マスタースパーク一発、それであれそれでアレの気を引いて‥
「夢想封印!」
ただの子供が異変の折、戦ったという。
博麗の巫女でも、人間に協力的になった勢力でもなく、山の天狗衆と白玉楼と関係を持った子供。
「急患よ、運びなさい!」
「はい、姫様!」
月のウサギたちが患者の具合を見る。
「皆を一気に永琳のところへ入れたらパンクするから、比較的元気な人には、申し訳ないけれど待っていてもらって‥」
「大丈夫かこれ!?」
「てゐ!脈を取りなさい脈を!」
「いい?永琳が処置したら、入院患者が出るわよ」
「はい!」
「優曇華の言うと聞いてしっかり動きなさい!」
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