【ハロウィン小説】飴と月と悪戯と
私は、ハロウィンの日には毎年必ず飴を持って歩く。特に満月と予定される日は十個ぐらい追加で持っていく。
家族にも、友人にも、時には知らない人にまで、「ちゃんと飴は持ちましたか?」と確認までする
私がここまで飴を持ったか必要に確認するようになったのは、何年か前の満月の日のハロウィンからだった
私の住んでいる地域には古くからの言い伝えがある、それは
「ハロウィンの日には必ず飴を持ち歩かないと飴お化け様に連れ去られる」
というものだった
その当時の私は言い伝えについてただの冗談だと思っていた。そもそもお化けなんて信じていなかったし、
ハロウィンはただ仮装して友だちと楽しく街を歩く日だと思っていた
おばあちゃんは昔私に「飴お化け様はハロウィンの日しかこの世に留まれないがそれ故に強力な力を持っている、だからみんなハロウィンの日は飴を持ち歩くんだよ」と言っていた。私がなんで飴なの?と聞くとおばあちゃんはにっこり笑って「それは飴お化け様は飴が大の好物だからさ」といった
私はやっぱり信じられなかった、ただし少しは怖いもので小学生の頃は勇気が出ず、中学生になった今年友人を連れてようやく飴なしに街を歩く勇気が出た。
街に出る前、母から「ちゃんと飴は持った?」と聞かれたが適当にごまかして家を出た
当時は興奮で母の話も半分も頭に入っていなかった
街に出るとみんな仮装をしていて、とても綺羅びやかで、この街すべてが私の心を踊らせた。
早速歩き出したとき、友達は目を細めて「ちゃんとアリサは飴、持ってきてる?」と聞いてきた
友人は今日はメイクにいつも異常に力が入っており目も紅いカラコンを入れているようでその姿は同性ながら少しドキッとしてしまう程だった
私はすこしたじろぎながらも持っているよ、と応えた。すると友達は「そ、ならいっか」と嬉しそうに笑った。
私は(飴交換するつもりだったのかな、申し訳ない)と心のなかで謝罪した。
今日の彼女は少し変だった、いつもはおとなしい方なのに今日は永遠にハロウィンにまつわる豆知識?のようなものを話していた
私がそろそろ家に帰ろっか、といったとき月明かりさえもささない薄暗い場所に居た。
彼女の長話に付き合っていた間に道に迷ってしまったのか、と落ち込み彼女に引き返すよう促した私は固まった。
私の隣に立っていたのは友人ではなく、知らない男の子(少年?)だったからだ
私が固まっていたら彼はにっこりと笑って、「ね、アリサちゃん。飴 頂戴?」といった
私は「飴お化け様」のことを思い出し顔面蒼白になった、あぁ、私はここで死ぬのだ、と。
彼は私がいつまでも飴を差し出さず震えているのをみるとにやりと笑って、
「もしかしてアリサちゃん 飴持ってない?」といった。終わった、と思ったその時
「じゃ、悪戯しないとね!」と手を振りかざした瞬間、またたく間に不思議な世界が広がった。
そこにはたくさんの飴と一つの人形があった、彼は「んー、ここ最近飴を忘れてくる人は少なかったのになぁ」とぼやきながら
なにやらがさごそ、と飴の山を探っていた。
そして、「あった!」というと彼は指を鳴らした。瞬間、そこにあった無数の飴たちがお化けに変わっていた
私は短く悲鳴を上げると腰が抜けて座り込んでしまった、
彼は「アリサちゃん、悪戯は何がいいかな?このおばけちゃん達と朝まで追いかけっこする?それとも自分が飴になってみる?」と
笑いながら問いかけてきた。私はどうすることもできず震えていると
「冗談だよ〜」と言いながらそこら辺のお化けをペロペロキャンディに変えて私のほっぺをつんつんしてきた
え?と声を漏らしたが彼は「僕はヒトを取って喰ったりしないからね!安心して楽しくおしゃべりしようよ!!」といった
???と頭が理解に追いついていなかったが「ほ、ホントだよ〜?」という彼を見てやっと声が出た。
「えっと、あの、ここは何処ですか?」強いて出た質問がこれだった、、、
彼は「え?ここ?うーん、ここはねぇ、僕の家?」と首を傾げてこたえた、無せ首を傾げるんだ、と思ったが違う質問をしてみることにした
「あなたは、この地域で伝説?になっている飴お化け様なんですか?」彼はニコリと笑って
「うん!そうだよ」といった、そりゃそうか、、、
その後も問答は続き、彼は飴が大好物だそうで、こうやって飴を持っていない子どもを怖がらせて必ず飴をもたせるようにしているそうだ。
あ、あとつきが今日みたいに満月の日のハロウィンじゃないと出てこれないそうだ、
これは新情報、!という気持ちと、なんで今日に限って満月だったのだろう、と言う気持ちが混ざりあった。
「僕は寂しいからこうやって飴を持ってこない子がたくさんいてもいいんだけどね〜」
とゆるく言う彼に私は少し睨んだ、めっちゃ怖かったんだぞ、と。(自業自得なのだが)
「よし!もうすぐ日が明けるしハロウィンも終わる!!悪戯はお終いかな」
と寂しそうにいって何やら謎のゲート?みたいなものを開いている彼に私は、
「もう二度と来ませんから、」といった。彼は「え〜」と残念そうにいったが私は更に
「友達にも家族にもこれから絶対飴は持ち歩くように、と伝える。」と言い放った
彼はしょぼーん、としたが私に「これお土産!せめてこれは貰って!!」と私に彼がつけていたピアスを私に片方差し出した。
私が?としていると彼は「たくさん喋ってお友だちみたいだったから!」といった。そういやお化けの彼には友達がいないのだった、
「ありがとう、」と私が受け取ると彼は「また、来年も満月だったらそれを目印にして必ず見つけてやるから!!」といった。
でも「来年は飴をちゃんと持ってくから悪戯はしないでね?」というと彼はにっこり笑った。
そしてゲートを潜り「じゃあね」というと彼は手を振ってくれた
家に帰る頃には門限の10時をとっくに過ぎており親にカンカンに叱られた
だけど私はずっとにっこにこしていた、親も引くほどにっこにこしていた。だって、お友だちができたんだもん。
それから門限が少し厳しくなってしまったけれど毎日、次のハロウィンが待ち遠しかった、
あれから今に至るけど、あの日以来ハロウィンが満月に被る日はなかった、
今年も三日月になるそうだ、でも私はさみしくはなかった
だって、あれから毎年ハロウィンには耳飾りをつけて大量に飴を持っていっているけど、家に帰る頃には飴が一つになってるんだもん、
食いしん坊だなぁと毎年思っているほど、
、あ、結局あの日一緒に街を歩く約束をしていた友人は風を引いていたそうだ。
だから飴お化けくんがあの子に化けていたのかぁ、と納得した
また今年もみんなに飴を持っていくように呼びかけて、耳飾りをつけて、
たっくさんの飴を持って、
目をつむりたくなるほど綺羅びやかな街を歩く。
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