キミクミ ~nmmnを添えて~
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やばいこれ好きすぎる
東の空は、はや白みだしていたが、
曽根崎の森は下界とは関係なく、
影暗く、しんしんとしていた。
死に場所を探しながら、あそこか、ここかと、下草を払って進んでいると、松と棕櫚が絡み合って、一本の相生となった木を見つけた。
「もしも、追っ手がかかったらと思い、
剃刀を用意しとりました。
別れ別れになっても、決して恋の浮き名は捨てまいと。
でも、望みの通り、一所でやっとしねるんやね。
うちうれしい」
「それほど肝がすわっとるのなら、何も心配することはない。
せやけど、今わの痛さ苦しさで、
死に様が見苦しい言われるんはつらい。
この二本の連理(別の根から生え、一つにくっついた樹)の
木に体をきっと結び付け、
いさぎよう死のうやないか」
そうして、お互いに体を見合わせると、
いよいよ運命も極まったと感じられ、
涙が込み上げてくる。