#13 デド
「あの〜、、何するの?」
「昨日のことです。」
カイはそれだけ言うと机から無線とイヤホンを取って私のところにやってきた。
「イヤホンを耳につけてください。」
私は言われた通りにイヤホンを耳につけた。
カイは私がイヤホンを装着したことを確認すると無線のイヤホンジャックに繋げて再生ボタンを押した。
「よぉく、聞いてください。耳の穴かっぽじるぐらいに。」
初めの方は雑音だけでよく聞こえなかったがだんだんノイズが消えて誰かが話している声が聞こえ出した。
「そうです。はい、、はい。」
この声は昨夜聞こえてきた声ではないか。
私はイヤホンを外してカイをみた。
カイはじっと私を見つめている。
「どこで録音したの?これ。」
「この前のデド襲撃のときです。」
デド襲撃の際に無線で話していたことがカイにとってそんなに重要なことなのだろうか?
またイヤホンを装着し直すと明らかにブレーカーを落とした時のような音が話し声の背後から聞こえた。
「ブレーカー落ちちゃいましたよ笑笑」
話し声の主はデドが近づいてきていると言うのに無線を止めようとしていない。
さらに気がかりなのは誰かと話しているような話し方なのに返事がないことだ。
そのあとも録音した無線内容は続いたが一人で淡々と話している声だけが録音されていた。
「これって昨夜のことと繋がりがあるのかしら」
私はイヤホンを取り外してカイに返した。
カイはこくんと頷いて無線とイヤホンを机の上に戻した。」
そうだ、ルーやマーレーにこの音源を聴いてもらおう。何かいい考えが浮かぶかもしれない。
「ねぇ、カイ。この無線、夜に借りてもいい?」
「はい、ルー先輩やマーレー先輩に聞いてもらうんですよね?」
何故か私は素直に頷けなかった。
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