電魂【2】
そう、その男の風貌は
店主以外の何物でもなかった。。。
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店主と目が合う。
店主はぶつかった人物が私であることを、分かったのだろう。
しばらく沈黙が続いたが、先に口を開いたのは店主だった。
「お前、あのビー玉持っているか?」
あのビー玉とは、多分私が見つめていたものだろう。
私は懐からビー玉を取り出し、店主に差し出す。
「参ったな…
お前下手すりゃ現実世界に帰れないぞ。」
現実世界に帰れない?
そんなこと痛くもかゆくもない、というか帰りたくない。
そんな顔をすると、店主は驚きながらも事情を説明した。
「ここは、魂の世界だ。
この世界の住人は、それぞれビー玉を持っている。
自分が最初に見たビー玉が魂となるのだ。
そしてその中のまぁ、『魂の管理人』とでも言おうか、狐と目が合うとこちらの世界へ来る。
本来、ビー玉の中の狐に「戻りたい」と言えば戻れる。
俺も、今日お前が店に来るくらいには帰ろうと思っていたのだ。
しかし、何らかの『バグ』が起きて、今帰れないんだよ。
そんなときにこっちに来ちゃったんだから何かの『バグ』などによって帰れない可能性だって十分にあるんだ。』
逆によかった…
物理的に帰れないほうが、こっちも諦めがつく。悠々自適にこっちで暮らせる。そんな気がした。
だからきちんとこういった。
「私は帰れても帰れなくても、ずっとこっちにいるつもり。」
「なら、俺もお前が心配だ、お前しか客来てなかったからこっちに残ろうか?」
「ありがとう。助かるわ。」
「よし、じゃあ決まりな。もう夜も遅いし俺の家で休んでけ。明日この世界について色々と説明する。
ビー玉は、なくすなよ。これやるから。」
そういって球体のカプセルがついたネックレスを渡された。私はその中を開きビー玉を入れる。
店主の家に着いた後、おもったより疲れていたみたいで、私はご飯も食べずに寝てしまった。
>>2
設定はなんか最近上に受話器おくタイプの☎←こういうのに惚れたからそれをコンセプトに書いてるけど、まだ電話の要素は出てないっていうね…
【3】か【4】くらいで出てくると思う。多分。