日常
_疲れた。
放課後、静まり返った学校の屋上に立って空を見上げた。
死のうと思った。この生活から逃げ出したかった。
辛い事があるでもなく、嬉しい事があるでもなく。
この何もない日常に意味を見いだせなかった。
誰からも必要とされずに、誰も必要としない人生。
何て、つまらない。反吐が出そうなそれは、固まった絵の具のように邪魔で仕方無い。
そして、空を見上げた__刹那。
私の目には、広がる赤みがかった空と。そこを飛ぶ、一羽の鳥が映っていた。
孤独なそれを見た瞬間、ああ私だと、無意識に感じていた。
その鳥は、羽根から流血して尚、飛んでいた。大きく、自由に、空を操っていた。
束の間___落下し、
そして、それはまた舞い上がった。澄んだ空に羽根と空気の混じる音を響かせて。
いつの間にかそれを食い入るように見つめていた私は、それを見て何故だろう__叫んだ。
何度も、何度も、叫んだ。
何も分からなかった。
分からないまま、もがいて、もがいて、
生きている。それでも私は生きている。
それだけははっきりと形と実感を伴っていた。
いつまでそこにいたのかは分からない。
私は帰路につきながら、今日あったことをずっと心に秘めていようと思った。
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