雪はただ静かに【3】
叫んだときにはもう遅かった。
リクレは。。。
崖から迷いもなく落ちていった。
俺は彼女の姿を追いかけようとした。
飛ぼうとした時、雪に彫られた文字。
「今までありがとう。」
たったの8文字。
私のことなんて構わず次に進んでよ。
きっとそう言ってるのだろう。
優しい彼女だったから。
俺は。
彼女とは真逆の性格で。
俺の負担になっていった。
彼女が嫌いで、彼女が好きだった。
俺は崖とは逆の方向に歩んでいたのだった。
雪はただ静かに少しずつ彼女の存在を消してしまっていた。
《完》
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