【新連載】シアワセ[1]
私の婚約者である彼氏は、某芸能会社の超人気タレント。伊我雄途。
アイドルとしても活躍していてグループの中では1番人気のモテ男。
それなりにファンも多くて、結婚する事はほぼ確実だけどなかなか会社がOKを出してくれないそう。
今日も私は「#伊我雄途」を調べる。
『ハイスペックなのに演技力抜群とかやばいわ…!!!#伊賀雄途 #伊賀くんが好きすぎる』
『本日も伊賀スマイル爆発してた…。可愛い…、、、#伊賀スマイル #伊賀雄途』
『めっちゃイケメンな伊賀ちゃん今日も拝めました~♡伊賀ちゃんにウエディングドレス着させて貰えるのは私だよ♡♡#伊賀雄途 #伊賀雄途の嫁』
『最近、伊賀ゆうとくん?って子がTV出てるんだけどすごいタイプでハマりそううう!#伊賀雄途』
本当にこのまま結婚していいのだろうか。
人気も絶好調。
ファンの支えがあるからこその彼の仕事なのに…。
優越感よりも不安の方が勝つのはいつものこと。
「自らの幸せを掴む事が大事」いつかの誰かの言葉。
呪いの様に私の体を蝕む「シアワセ」という言葉。
青白く光るスマホの画面を見ながら、目を瞑ってしまう。
「美菜未ちゃん!明日の朝9時に自宅まで私の車で迎えに行くね!朝早いけど頑張ろう!明日の予定も確認しといてね」
マネからのLINEで明日の予定は雑誌の取材だったと思い出す。
「好きなタイプは誰ですかーーー」とかいうありきたりな質問に答えなければならない。
明日の不安に怯えながら布団を被った。
宮城でコンサートをやっている彼を思いながら。
いいねを贈ろう
いいね
7
コメントしよう!
トピックも作成してみてください!
トピックを投稿する