学校1の美少女がなんの取り柄もない俺に一目惚れ!? #7 2人の思い(想い)
「あの人塩対応だし話すことないだろ。てかお前みたいな性格も顔も身長も運動神経も勉強も顔も普通なお前が受け入れられたのが驚きだわ。」
「おい、言い過ぎだろ、あと『顔も』って2回言っただろ。さすがに傷つくわ。」
あんなにベラベラと人の悪いところを言えるなんてある意味才能である。
「お前なんかが一緒に登校してるってことは…」
陽平は探偵ぶって顎に手を当てて考え込んだ。
「はっ!お前、まさかなにか弱みをにg…。」
「握られてねぇよ。どんな悪役だよ。」
優梨奈が大変な人だってのは分かった。
けど、別にこれと言ったデメリットは無さそうだから身の危険はないな。
今日の授業の時間は台風のように速く過ぎ去っていった。
気付いたら最後の授業のチャイムが鳴っていた。
「今日の授業は速く感じたな。」
わざわざ自分の席から俺の席までやって来た陽平は言った。
「今日はいいことがあるぞ。まぁ根拠はないがな。」
そして大笑いしながら去っていった。
まったく、変な奴。
帰り道、ちょうど優梨奈を見つけた。
友人となにかをしゃべっていた。
やはり笑うことはなく、真顔で接している。
友達は多くないようで、一緒に話しているのは1人だけだった。
そりゃ、塩対応だからな。
気のせいかもしれないが、一瞬だけ、ほんの一瞬だけ、
優梨奈の後ろ姿が、寂しさを纏っているように思えた。
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[時すでに遅し]この言葉を知っているだろうか。
私は、最近このことわざの通りになることを恐れている。
やっと告白の準備ができても、光一郎くんが取られてしまったら、私はどうすればいいのかわからないもの。
おねがい神様…いつか、私の勇気が十分になるまで。
最近はずっと光一郎くんのことを考えている気がする。
心がいつの間にか苦しくなったりして、夜も寝れない。
理不尽なのはわかってるけど、それでも、これだけは言わせて欲しい。
私の気持ちを分かってよ、私の胸には気持ちが満ち溢れてるのに…
ねぇ助けてよ、光一郎くん…