小説ブルーハウス

2 2021/11/05 19:10

8章 駄々をこねる

荷物を取りに行かなきゃいけないのか。

「1人で運ぶのきついっしょ?良かったら颯斗と行ってきたら?仲良さそうだし。」

そう言われて、出かける支度をしていると。

「私も行く―――!」

「だーめ。ちゃんと学校行かないと。」

「だってまだ、死無さんと仲良くなれてないんだもん!」

…飛鳥ちゃんが何度も駄々をこねると、流石に困ったりなさんの溜息が聞こえた。

「あのね、飛鳥はまだ小学生なんだよ?小学生は勉強しないと…。」

「わかってるけど…。行きーたいの!」

その時、りなさんは言った。

「じゃあ、飛鳥が小学校に行ったら、ドーナツ3個あげちゃおっかな~。」

「ん!」

飛鳥ちゃんは迷うような声を上げて、

「行く。学校行くよ…。」

「よし!じゃあ、いこー。」

ドアの閉まる音が聞こえて、そこで2人の声が遠くなっていった。

りなさん、扱いになれてるな…。

私も出かける準備を終えて、部屋の外に出ると、そこには颯斗さんがいた。

「じゃあ行きましょうか。」

「はい。」

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