《手話》 1話
?『おはよう。今日は来れたんだね。』
手を動かして、僕に話しかけてくる。そういや、小学校に入学した当初、彼女の手を動かす《手話》と言う物に見慣れなくて、一人で、過ごしていた子だったよな。今思うと、そんな風に思えねぇわ。
?「あぁ、おはよう。」
?『何て言ったの?』
?『おはよう。あぁ、お陰様で元気になったよ。』
?『そっか良かった。』
彼女、花(はな)栗(ぐり)碧(あお)凪(な)は、耳が聞こえない。だから、《手話》で話している。俺は、『花』と呼んでいる。俺の中で一番簡単だからだ。
?『花は、いつも早いよね。』
花『まぁね。通学時間だと、騒がしくて。ストレっちゃうから。っていうか、怜央君も早いよ~~~。』
因みに俺の名前は西園寺(さいおんじ)怜(れ)央(お)。こいつは、怜央って、言うのを、手話ネーム?と言うので、やってるらしい。まぁ、俺も良く分からないが。花は授業中いつも、苦戦している。そりゃそうだ。だから、俺が通訳しないといけない。毎回席替えの時隣になる。そりゃそうだ。このクラスでは、俺しか手話が出来るしよ。でもたまには、他の人と隣になってみたい。
花『怜央君。今日は、給食担当でしょ。私、なんもないから、手伝うことあったら、言ってね。』
でも、花は、担当を外される。つまり、何も出来ないという印象を持たされて居る。だから、俺と一緒にやるんだよ、係の仕事は。
?[トントン]
西「うわぁぁぁぁぁぁぁ。」
でも、、、たまにこうやって驚くこともある。それは何でかって?花の行動に問題?いや、ろう者にとって、問題行為では無いのだが、、、どうやって説明すればいいだろうか?
花『大袈裟だなぁ。落ち着いてよぉ。』
西『落ち着けるか⁉』
花『堪忍、堪忍。』
( ´―`)フゥー...。ろう者と聴者の違いは、ここが凄いんだよな。でも、ろう者は、外国人?みたいなもんだからよぉ。まっ、仕方ねぇな。
[キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン]
西『チャイムが鳴ったぞ。』
花『ありがとう。』
で、俺の学校の朝のモーニングはお終い。