刻む世界に色を。【連載小説】

9 2021/11/18 16:33

「私、色が分からないの」

世間話のような気軽さで彼女が言った。まるで、赤の他人の話のように。

 

「この花も、街も、空も……全部モノクロだっていうのか?」

 

彼女は少しの逡巡の後、諦観の響きを含んだため息をついた。

 

「えぇ、どんなに綺麗なものも、汚いものも……私からすればどっちも価値なんてないわ」

 

そう言って伏せた彼女の目は、飴玉の様に鮮やかな青色を湛えていた。

  

 

 

ーーーーー

 

久々の新作、プロローグです。

いいねが7いったら続きを書き始めようと思います。

前作までは削除しました。

トプ画はノーコピーライトガール様より。このイラストにインスピレーションを得て書きました。

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タグ: 世界 連載小説

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