刻む世界に色を。【連載小説】
「私、色が分からないの」
世間話のような気軽さで彼女が言った。まるで、赤の他人の話のように。
「この花も、街も、空も……全部モノクロだっていうのか?」
彼女は少しの逡巡の後、諦観の響きを含んだため息をついた。
「えぇ、どんなに綺麗なものも、汚いものも……私からすればどっちも価値なんてないわ」
そう言って伏せた彼女の目は、飴玉の様に鮮やかな青色を湛えていた。
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久々の新作、プロローグです。
いいねが7いったら続きを書き始めようと思います。
前作までは削除しました。
トプ画はノーコピーライトガール様より。このイラストにインスピレーションを得て書きました。
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