ELGAMA #3 真帝王
先程の荷台とはかけ離れた薄暗く不気味な通路を通り、一段と広い部屋に着いた。
「なんだ、ここは…」
そんな小さな声でも響くということはそれだけこの部屋が広いということを示している。
隣でレイスと一緒に連れられてきたスルも唖然としている。
プレク村どころか、ピルミにもこんなに広い建造物はなかったのだから。
部屋の中心部に連れられ、前方にある大きな台座を見上げる。
レイスの身長の2、3倍の大きさはありそうだ。
すると、そこに大きな誰かが座っているのが見えた。
スケーラーと同じく、黒いフードを被っていた。
「連れて来たか、プレク村人を。」
「はい、ただいま連れて参りました。真帝王さま。」
近くにいたスケーラーが巨体の前にひざまずいた。
真帝王は体だけではなく、声も大きく、そしてよく轟いた。
真帝王はじっとレイス達を見据えると、言った。
「2人だけか、なぜだ?」
「申し訳ありません…部下が張り切り過ぎてしまい、ほとんどを倒してしまいまして…」
ピクッと真帝王の体が動いたような気がした。
_____怒っている____________
レイスはそう確信した。
こんな巨体が怒り散らしてしまったら、どうなることか。
死ぬだけでは済まないかもしれない。
「それで、こいつらは知っているのか?アケラルを。」
聞き慣れない言葉だ。
だが何故かスルはビクッと震えた。
スルにとっては、知られてはまずいものらしい。
「おそらく。」
スケーラーがそう言った瞬間、隣にいたスルが、触られてもいないのに宙に浮いた。
真帝王の手から出るオーラのようなものに引き寄せられ、レイスのところからは果てしなく遠い真帝王の顔あたりまで行った。
「お前、アケラルを知っているのか?」
真帝王の大きい声とは違い、スルの声はよく聞こえない。
「嘘をつけ!知っているはずだ!」
しばらく、それが続いた。
すると、しびれを切らしたのか、真帝王が大声を張り始めた。
「もういい!どうしても口を割らんとでも言うのならば構わん。地獄に落ちてもらうしかないようだな。」
真帝王は片手でスルをつかむオーラを出しながらもう片方の手で力を溜め始めた。
そのとき、スルの声がかすかに聞こえた。
____恐怖に陥った絶叫が
部屋全体が光に包まれた。
なにも見えなかった。
レイスは顔を腕で守った。
光がなくなったとき、スルは冷たい床に横たわっていた。
まったく動かなかった。
まるで、人形のように。
死んでしまったのだ、他の村人のように。
「残った一人はどうだ。」
「こちらでございます。」
スケーラーに押されてレイスは真帝王の前に連れ出された。
「待て、こいつは、子供か?」
「はい。」
「なぜ子供を連れてきた?」
「それは、もし大人が子供に変装していたらと思い、連れてきました。あの状況で子供が生き残っているのは不自然だと思いまして…」
すると、真帝王の堪忍袋の緒が切れた。
「この戯けどもが!子供がそんなものに詳しいとでも思っているのか?子供なんぞ適当な所に放っておくか、葬ってしまえばいいのだ。」
「も、もうしわけございません!!」
「どこか遠くに捨てておけ。」
真帝王がそう言うと、レイスは気を失った。
4話↓
うんうん、(* ゚∀゚)こっからだね…っ‼
あの、スルが真帝王にってとこの
部屋全体が光んい包まれた。
ちょっと誤字、↑
>>5
小説内に、「部屋全体が光んい包まれた。」ってとこあるでしょ
「光んい」ってなってる、
「光に」じゃない?って