オリキャラ小説 アリスとみのり 第一章

2 2021/12/11 18:40

アリスが初めて日本語の名前を耳にしたのは,彼女が12歳の頃だった。内野みのり。その子は日本からの留学生で,4ヶ月の間アリスの学校に通う事になっていた。

社会科の教師が望んでいた景色が,引き取り先を募集した瞬間に実現化した。

面倒くさがる生徒と手を挙げる生徒。その手を挙げていた生徒達の一人だったのがアリス。そしてクラスメイトと口論の末,アリスはそのポジションを手に入れてしまった。

その日の午後。アリスはスキップをしながら家に帰ると,母親の元に駆け寄った。「お母さん聴いて!なんとですよ?家に留学生のみのりちゃんが来る事になったの!」そのニュースには,両親やアリスの姉妹も大歓喜。

家族で話し合った結果,アリスの双子の妹であるコーラの部屋は,みのりの部屋となる事に。そして2ヶ月後。アリスは家族と共に空港に行き,ついにみのりと対面した。水色の瞳に,黒く長い髪。控えめに言って美人だった。

「初めまして。内野みのりと申します」「よろしくね。みのりちゃん」

アリスが最初に驚いたのが,みのりの英語力。日本語のアクセントはあったものの,きちんと理解する事が出来た。

アリスの家に着くと,みのりに新しい部屋を見せようとした。それだけで2人には相違点があったのだ。みのりの実家はマンションで,二階など無い。

みのりに一通り部屋の説明をし,アリスが部屋をでようとすると,みのりに呼び止められた。そして,アリスが予想も出来なかった事をした。お辞儀。

アリスは全身から汗が流れ出るのを感じ,直ぐみのりに謝った。「ほんっとにごめんなさい!何か粗相があったかしら?」みのりは首を傾げて微笑んだ。「いえいえ。そんな事無いですよ。むしろ完璧です。日本ではお辞儀をするのは,感謝を伝える時とか謝罪する時とか、、、うーん。まぁとりあえず行儀の良い振る舞いですね」

みのりの説明を聴いたアリスは顔が熱くなり,「ごめんなさい、、、」とみのりに頭を下げた。みのりはクスクス笑うと,「良いですよ。家の父も最初わからなかったですし」

その一言は,アリスにとって疑問だった。「お父さんって日本人じゃないの?お母さんは?でもみのりって何処で生まれたの?」「待て待て!質問は一回ずつ。俺の父親はアメリカ人なんです。母親が日本人」

みのりの英語力が高いのはそのお陰。アリスは直ぐに納得した。

「じゃあ,私は出て行くから。今のうちに荷物を整理して置いてくれると嬉しいわね」

アリスが部屋のドアを閉めると,みのりは言われた通りに荷物を整理し始めた。それも終わるとベッドに寝転がり,自分の前の家の事を思い出していた。福岡。

「みのり。お前には学校のイベントと言う事で,4ヶ月の間アメリカで暮らして貰う」みのりが父親にそう告げられたのは,たった二週間前だった。

「ちょっと何言ってるのかわからない」みのりが聞き返すと,パソコンを弄っていた姉の寧が反応した。

「みのり。家の学校の留学イベントは聞いた事あるよね?」「それは勿論。家の学校からアメリカに留学する生徒を一人選ぶんですよね?」「ご名答。そして,その留学生に選ばれたのがアンタよ」

そう。みのりは此処には来たくなかった。学年で一番英語の成績がいいからと言う理由だけで,教師達が選んだのだ。こうしてマウントキスコ(mount kisco) のフォックスレイン中学校(fox lane middle school)に来たみのり。その間同居するのに選ばれた一家がパターソン(Paterson)一家。

丁度その時アリスが部屋の扉を開け,「みのり。ご飯出来たわよ」と声をかけた。スパゲッティとステーキとサラダ。みのりはよく食べて,ご飯が終わると二階のバッグから箱を取り出して来た。「母親が,これを渡せとお預かりしていました」アリスが箱を開けると,中に入っていたのは博多通りもん。めっちゃ美味しい。

夕食を食べ終わり,アリスの母とみのりは食器を洗っていた。食器を片付け終わると,アリスが小さな手紙を手渡す。

アレックス(Alex),ロベカ(Robeca),ハナ(Hana),

コーラ(Cora),アリス(Alice) パターソンへ

どうも。内野みのりの家族です。その広い心で娘を受け入れて下さり,感謝してもしきれません。そして,フォックスレイン中学校での経験で娘が成長するのがとても楽しみです。確かにみのりはアメリカの文化が良く理解出来なく,慣れた大人相手なら割と生意気な態度をとります。しかし,何かございましたら気軽に連絡をよこしてくれて構いません。

デイビッド(David),まりこ,寧,マヤ,みのり内野より

ロベカは手紙を読み終わるとみのりに向き直り,「ちゃんと届けてくれてありがとう。アリスなら秒で無くしてるわよ。でも,そろそろ寝なさい。早く時差ぼけを治した方が良いし,明日はみのりと学校に行くしね」「はい!」みのりは勢いよく階段を駆け上がり,寝る支度をすると,すぐに眠りに落ちた。

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その他2021/12/11 18:40:13 [通報] [非表示] フォローする
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あああああ面白いいいいい


2: 満月の聖夜 @seiya 2021/12/11 18:57:26 通報 非表示

>>1
ありがとうございます♪


>>2
ふふふ☆


4: 満月の聖夜 @seiya 2021/12/11 19:49:29 通報 非表示

ちなみにフォックスレインやマウントキスコ等は全て実在する場所です。あと元はこれ,俺が学校のパソコンで独学として英語で書いてた物を日本語に差し替えた物なんですよ。我ながらよく頑張ったな俺。


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