第18話Coexistence of life and death④
シークルに言われるがまま、私達5人パーティーは中央都から出てシークルを助けた「暗闇の洞窟」よりも遠い場所まで歩いた。
突然、シークルが歩くのを辞め、私達の方に振り返る。
「ここがエルフ族の基地だ」
「「「「「え!?」」」」」
シークルが指を刺している方向には緑色の森しかない。
シュウとユウタがシークルが指を刺している方に近寄り探すがやはり何もない。
「んーと、シークルさん俺達にはエルフ族の基地とやらが見えないんですが」
と最近パーテイーリーダーがすっかり馴染んできているシュウが問いかける。するとシークルは腰に付いていた布袋から銀で作られている指輪を投げてくる。
「それを指にはめてみな」
シークルに投げられた指輪をはめてみる。
「こ、これはどういうことだ!?」
今まで目の前に森しか広がっていなかったのに大きな門が出現する。パーティーメンバーの内一人でもこの指輪を装備していると同じパーティーメンバーにも反映されるらしく、仲間達全員が口が閉じなくなっている。
「さぁ他の者に見られないうちに門をくぐるといい」
シークルが門の上に居る門番に話しかける。
「そこに居るもの!門を開けてくれないか?」
「おうよ!ちょっと待っててな、シークルの嬢ちゃん」
「何回も言っているでしょう!その呼び方は辞めてと言ったはずです!」
シークルの声が門番に聞こえたのか聞こえなかったのかはわからなかったが、おそらく門番の人が門を開けてくれた。
プレイヤー5人+エルフNPCシークルがぞろぞろと基地の中に足を踏み入れる。
プレイヤー(人族)がエルフ族の基地に入るのは珍しい事なのか、エルフ達が私達の方をジロジロ見てくる。
「なんだあのもの達、耳が髪に隠れているぞ・・・」
など色々な見た目や装備などについての話をコソコソ話ている。
「まぁ人族を初めて見たエルフ達は皆あのような反応をする。気にしすることではない」
とシークルが色々言われて萎えているシン、シュウ、ユウタの男三人組に励ましの言葉をかけてくれている。
「あ、ありがとよシークル・・・」
男三人組が声を揃えてシークルに感謝の言葉を述べる。
男三人中二人のシュウとユウタはよく凹む事がリアルでは多々あったがシンがこんなにしっかり目に見えて凹む事があっただろうか。
やっぱりシンは顔を知っている人からはある程度受け流す事が出来るが、初対面の場合間に受けてしまうタイプなのだろう。
「まずはこの基地内にある施設の説明をしよう。ここを真っ直ぐ行けば食堂だからそこで何か飲み物を飲みながらにしよう」
食堂に続く真っ直ぐの道にもおそらくエルフ達が作ったであろう農作物類が並んでいる。
しかも、その農作物を鍋で煮込んでいるのかホワイトシチューのお腹の空くいい匂いが漂っている。
「いい匂い〜」
「そうだろ?エルフの基地はここ以外に数ヶ所あるが、その中でもここのホワイトシチューは一番美味しいと評判なんだ。食堂で食べられるから後で食べるといい」
そんなこんなで色々な食べ物の匂いを嗅ぎながらフラフラ歩いているうちにいつの間にかあの長い真っ直ぐな道を歩ききっていたらしく、目の前に大きな建物が姿を表す。
中央都にあった酒場の何十倍もの大きさを誇っている。
中に入ってみると防具を着たエルフ達が大きく長い机に並んで食べていたり四人机で話しながら食べたりなど色々なエルフ達がご飯を食べている。もう昼過ぎなので遅めの昼ごはんといったところだろう。
「なぁ、俺たちもご飯食べないか?」
我慢出来ずにシュウが細々とした声で言ってくる。
「そうだな、私もお腹が空いてきたところだ」
「何があるの?シークル」
珍しくナツキがシークルに話しかけに行っている。
「そうだな・・・私はよく任務で外に行くから携帯食ばっか食べているから全メニューは把握していないが小さい時に食べたキノコのクリームパスタは絶品だったぞ」
「じゃあそれを皆で食べるか!」
「そうするとしよう」
エルフの皆が並んでいる列の最後尾に並び順番が来るまで待つ。
思ったよりも並んでいた人数が多かったため数十分待つことになったが、6人で並んでいたので武器を振るコツ、エルフ界でのテーブルマナーなどを色々聞いているうちに順番が回ってくる。
「何を食べていくんだい?」
「キノコのクリームパスタ6人前お願いできるかな?」
「あいよ!左の方にある受け取り口の前で待っててください、次の方どうぞー」
数分後・・・
「キノコのクリームパスタ6人前ね!お待ちどうさん」
さっき列に並ぶ前に見たあのエルフ達の満員状態を見ていたので急いで席を探す。
まるで放課後ファーストフード店で大学生や自分達と同じような用途で来ている学生達よりも我先にとテーブルを取り合うような感じにどことなく似ていて懐かしい気がした。
「あっ!あそこ!」
ナツキが全員座れるようなテーブルを発見し、声をあげる。
「あそこだな・・・ヨシ!!」
シークルが今何レベか知らないが敏捷力がものすごく高いことがわかるスピードで数mの中々の距離を瞬間移動にも見えるスピードでテーブルまで移動し、もう座っている。
「さぁ食べよう」
「お、おう・・・」×2
「そ、そうすか・・・」
「そうね・・・」×2
近づくとハァハァと少し聞こえる。
「それじゃあ・・・」
「「「「「「いただきます!!!!」」」」」」
皆の口の中にどんどんクリームパスタが流れ込んでいく。
「うまっ・・・うんまい!」
皆で話すこともなくただ沈黙でクリームパスタを食べる。
「ぷはぁ、美味しかったぁ」
「なんか少し眠くないか?」
異常状態に気づいたシンが皆を起こそうとするがシークルを除く5人が眠りに落ちてしまう。
最後にイロハの耳にシークルの声が聞こえた。
「おっお前達何をする!」
(続く)
〈後書き〉
ここまで読んでいただきありがとうございました!
まぁとりあえずイロハ編は一歩前進ってところでしょうか?
このごろ書く手とiPadに打ち込むのはスムーズにいくのですが、課題だの親フラにあって小説の内容見られ萎えたりして予定日とは大きく離れた投稿になってしまいすいません。
まぁこれからどう進展するのかはおおまかにわかるように書いたつもりです。
僕が国語力なくて簡単な文章しか書けないんですけどねww
最近は絵を書く練習をしていまして、まだ皆さんにお見せできる腕前ではないのでトピックにしたりはしないと思いますが、キャラクターデザインはラフに書いてあるのでこの小説の表紙または挿絵を書いたりしていければと思います!
毎回言っていますがここまで読んでいる人はいないでしょうw
こんなところまで読んでくれた人に感謝!!!!
ちなみにトピ画は今回書く時に使った新品のシャーペンです!
>>6
小説書いた時にシャーペン使ったからか?と思ってたら大当たりだったわ 後明日昼飯がこれで決まったよありがとう
>>8
家にないからカルボナーラだよ
俺の小説で出した飯は
チャーハン餃子セット バイキング朝食
久々読んだー( ´ ▽ ` )
設定とかもそうだし、喋り方とかの細かい設定まで決めてあってすごすぎる
面白すぎるんだが