ELGAMA #27 アリゴ編 #6
レイスの方が早く傷が治ったため、まだベッドで寝ているミアに会いに行った。
エリントも連れて。
部屋に入ると、ミアはベッドで安静にしていた。
すると、ミアはこちらを向いて、言った。
「エリント、おかえり。」
「おうよ。」
身体中の至る所に包帯をしており、かなり重傷のようだった。
「すまん、ミア、あんなに当てちまって。」
「ううん、いいよ、こうしてエリントが戻って来たんだし。」
結果オーライということだろう。
「戻って来たってことは私の最後のとどめが効いたってこと?」
「そ、バツグンに、効いたな。」
そして、ミアはまたニッコリと笑って言った。
「へへ、よかったあ。」
「んじゃ、安静にしとけよ。治るまでアリゴの番人と戦えねえから。」
部屋から出て、エリントは溜息を吐いた。
「アイツ、可愛いとこあんじゃねえか。」
エリントが遠くを見て言った。
レイスは耳を疑った。
「おおっと?ようやくあのエリントにも春が…」
「あ?もう一回寝かすぞ。」
すごい形相で睨まれた。
その形相が照れ隠しならよかったが、本気で怒っていた。
「最初は、俺に反論してきて、『なんだコイツ。』って思ったけど、なんか嫌いになれねえよな。」
謎の沈黙が訪れた。
「それより今更って言ったら今更なんだけど、ここ、どこ?」
レイスが話を変えると、エリントが信じられないといった目でレイスを見た。
「おい嘘だろ?『それより』って…あ、いやそうじゃねえな、ここはフェルグの小屋だ。」
「え、こんなに広かったの?」
「馬鹿か、怒られんぞ。小屋中隅々まで探してないだろ?森に隠れてるだけで広いんだぞ。」
「へぇ。」
目が覚めたときに見た木目から、木造なのはある程度分かっていたが。
「今から何をするの?」
「今からは、ミアの傷が治るまでここにいないとな。」
「え?あの傷じゃ先は長いと思うよ。」
「バカタレ、エベウプを忘れたか。」
「あっ。」
すっかりエベウプの存在を忘れていた。
「イリエンセに言ったらカンカンだろうね。」
「そうだな、30デラくらいの間ずっと風呂を洗わせられるんじゃねえかな。」
エリントが苦笑いしながら言った。
次話↓
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