ELGAMA #27 アリゴ編 #6

4 2022/01/11 16:30

レイスの方が早く傷が治ったため、まだベッドで寝ているミアに会いに行った。

 エリントも連れて。

部屋に入ると、ミアはベッドで安静にしていた。

 すると、ミアはこちらを向いて、言った。

「エリント、おかえり。」

「おうよ。」

身体中の至る所に包帯をしており、かなり重傷のようだった。

「すまん、ミア、あんなに当てちまって。」

「ううん、いいよ、こうしてエリントが戻って来たんだし。」

結果オーライということだろう。

「戻って来たってことは私の最後のとどめが効いたってこと?」

「そ、バツグンに、効いたな。」

そして、ミアはまたニッコリと笑って言った。

「へへ、よかったあ。」

「んじゃ、安静にしとけよ。治るまでアリゴの番人と戦えねえから。」

部屋から出て、エリントは溜息を吐いた。

「アイツ、可愛いとこあんじゃねえか。」

エリントが遠くを見て言った。

 レイスは耳を疑った。

「おおっと?ようやくあのエリントにも春が…」

「あ?もう一回寝かすぞ。」

すごい形相で睨まれた。

 その形相が照れ隠しならよかったが、本気で怒っていた。

「最初は、俺に反論してきて、『なんだコイツ。』って思ったけど、なんか嫌いになれねえよな。」

謎の沈黙が訪れた。

「それより今更って言ったら今更なんだけど、ここ、どこ?」

 レイスが話を変えると、エリントが信じられないといった目でレイスを見た。

「おい嘘だろ?『それより』って…あ、いやそうじゃねえな、ここはフェルグの小屋だ。」

「え、こんなに広かったの?」

「馬鹿か、怒られんぞ。小屋中隅々まで探してないだろ?森に隠れてるだけで広いんだぞ。」

「へぇ。」

目が覚めたときに見た木目から、木造なのはある程度分かっていたが。

「今から何をするの?」

「今からは、ミアの傷が治るまでここにいないとな。」

「え?あの傷じゃ先は長いと思うよ。」

「バカタレ、エベウプを忘れたか。」

「あっ。」

すっかりエベウプの存在を忘れていた。

「イリエンセに言ったらカンカンだろうね。」

「そうだな、30デラくらいの間ずっと風呂を洗わせられるんじゃねえかな。」

エリントが苦笑いしながら言った。

次話↓

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その他2022/01/11 16:30:52 [通報] [非表示] フォローする
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2: 桃太郎 @j402210952022/01/11 17:15:53 通報 非表示

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