【オリジナルのちょっと怖い体験談】修学旅行のホテル
俺=主人公
高校生のときのこと。俺は京都に修学旅行に来ていた。ホテルの部屋は生徒指導の先生に見られる位置にあり,何かしようものならすぐに見つかり怒鳴られる,そんな場所にほとんどの部屋はあった。
しかし俺のグループの部屋は違った。非常トビラを開けた横という,なんでそんなところにあるのだと言いたくなるような場所だった。それもその一部屋だけ。明らかに様子が違った。そもそもなぜ生徒をそんなところに泊めるのだ。
そして俺と同じ部屋になったのは2人の男子生徒,いや2匹のゴリラだった。そのゴリラーズは高身長&筋肉ムッキのガチガチ野球部で,学校の中でも有名人…有名ゴリラ。そんな2人と,どこにでもいそうなモブの俺がなぜ同じ部屋になったんだ…。
そんなわけでいざお部屋に入室。俺は「変な場所にあるんだからたぶん部屋の中もなんか変なもんあるだろ」と思い部屋の中を探し回ってみた。
そして俺は気付いた。飾ってある絵の場所がおかしい。
部屋の右側もしくは左側ならわかる。真ん中もわかる。しかしその絵は,壁の下の方,床に近い場所に飾ってあった。隠し部屋とかがあるのかと思い,その絵をパカッと開けてみた。というか,絵がフタみたいに開くという時点でおかしいのだが。するとそこには,
一枚のおフダが貼ってあった。
それもその文字は黒ではなく,変色しているのか赤黒くなっていた。
俺は,見てはいけないものを見てしまったとその絵をそっと元通りにしてベッドの上に座り,何事もなかったかのようにポッキーを食べた。すると,あのゴリラーズもこの部屋のおかしさに気付き,部屋をドタバタと暴れ探しまくった。俺は何も言うまいとポッキーを一本口に入れる。そしてゴリラーズも絵に気付き俺と同じように開けた。そして,今までゴリラだった顔が一瞬にして真っ白になった。そのまま無言で絵を元に戻し,無言で夕食を食べる会場へ行った。その日俺とゴリラーズは一言も喋らず夕食を食べた。
夜になり風呂に入る時間。ゴリラーズは俺の思っていたよりもビビっているようで,風呂も1人で入れないようだった。
消灯時間になり,俺とゴリラーズは寝た。すると
ドンドンドンドンドンッ‼︎‼︎‼︎‼︎
⁈⁈⁈
何事かと思い俺は目を覚ました。時計を見ると,深夜の2時。いわゆる丑三つ時。
誰かのイタズラか何かかと思ったが,部屋は全て先生に見える位置にあるし外に出たら怒鳴られる。万が一見つからなかったとしても,そもそもこんな大きな音を出したら即バレて説教のはずなのだ。
俺は起き上がり,音のなった方を覗くと,でかいいちご大福がふたつ。それは,いちご大福みたいに布団にくるまって震えているゴリラだった。ゴリラは飛び起き,俺に抱きついた。高身長筋肉ムッキのゴリラ2匹に抱きつかれたもんだから,俺はつぶされそうだった。
片方のゴリラが俺を見て,究極の変顔…ではなく,ものすごく驚いたかのような顔をして,首を激しく振った。見るなという意味だろう。すると
ガリガリガリガリガリ‼︎‼︎‼︎
ええええええ⁈⁈⁈⁈
ドンドンならまだわかる。いや,わからないが,まだマシな方だ。なのに,ガリガリって…。
しかしこうして起きていても,また怖い思いをするかもしれないから,ゴリラーズを無理矢理引き剥がし俺は寝た。ゴリラーズも寝た。こんな状況で眠れるのも少しおかしいのだが。
次の日,俺はフロントのオバチャンに「あの○○○号室は, なんなんですか」と聞くと,
「ああ,○○○号室ね。」
「7年前火事があって,あそこに閉じ込められて出られなくなって亡くなった女性がいてね。」
やっぱりそうか。
おフダが貼ってあったのも,ラップ音がしたのも,そういうことだったのか。と俺は納得した。
帰りのバスに乗り,学校へ帰るというとき。
俺は気付いてしまった。
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これは,私のとある知り合いの体験談らしいです。