小説:舞桜 プロローグ
ジャンル;恋愛……になる予定()
主人公;佐倉 美春
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昔から恋というものがよくわからない。
異性とどれだけ話しても、どれだけ関わり合っても、どれだけ仲良くなって行っても。
どこまでいったって変わらず一貫してただの友人までにしか感じられなかった。
「おい、お前男子と関わり持ってるんだって?」
——あんな闇を、抱えなければならなくなるまでは。
ぴりりりり、ぴりりりり……。
「うる、さいなぁ……」
私は夜更かししたせいでいつもよりも重く感じる体をのそのそとうごめかせて、目覚ましを止める。
「はあ……。学校行くのめんどくさいなぁ……」
今日は日曜日。普段なら休日なのだが、急遽授業を進めなければ私たちの進学に関わってくるほどの勉強の遅れが生じるだかなんだかで、今日は特例で日曜日だが登校することとなった。
勿論その情報を夜になるまで知らなかった私は一応のためスマホで情報確認してから慌てて溜まりに溜まった課題を終わらせるために徹夜したことは言うまでもない。
「今日は一日家で過ごすつもりだったから弁当用意してないし……っ。全く、そのへん考えてくれないかな」
私の学校には購買が存在しなくて、いつも弁当か行きしに弁当を買ってこい、というのが学校でのルールだ。
そのルールのせいで毎日ほぼ確実に一人二人は昼食を取れないということが起きる。
……予算不足でその辺を補えないのはわかるが訴えられても知らんぞこの学校。
私はあまり食べなくても問題ない体質だからとりあえず家を出る。幸いコンビニは多く立ち並んでる地域だし、時間も珍しく早めに家を出れた。
これなら少しくらい昼食を吟味しても問題ないでしょ……。
「やばいやばい、ほんっとにやばい!」
下手に吟味するんじゃなかった!集中しすぎて周りのお客さんからは引かれるし時間食いすぎて始業時間まであと数分足らずだし!
もーっ!なんでこうなるかなぁ!
私はそう心の中で愚痴りながら学校まで全力疾走した。
結果は勿論惨敗だった。
遅刻くらいなら済んだが、全力疾走したせいで弁当はぐちゃぐちゃになって、尚且つ筆箱を家に忘れるという大失態を犯したことはまた別の話である。