叶わない恋に奇跡を【4話】

4 2023/02/05 14:31

エプロンをつけ、後ろ手に紐を結ぶ。

「よし!」

と呟いて、調理場へと急ぐ。

「アリアちゃ〜ん!まずはそこにあるポトフ用の野菜切っておいて〜!」

料理を運びながら、マーサさんが早速私に言う。

「は〜い!」

ポトフ用の野菜ってこれかな?

トン、トン、トンとリズミカルな包丁の音がひびく。

ジャガイモ、ニンジン、ソーセージ、タマネギ、ブロッコリーを切り終えた。

「マーサさ〜ん!終わりましたぁ〜!」

また遠くで料理を運んでいるので、大声でマーサさんに向かって言う。

「もう終わったの?はやっ!すごいねアリアちゃん。」

やったあ 褒めてもらった。 今まで誰かに褒めてもらったことなんてあったっけ?

「じゃあ次は、そこにあるトマトとレタスとタマネギ、あとレモンを使ってサラダ作って、そこのボウルに入れておいて!ドレッシングは冷蔵庫に入ってるから!」

わあ、仕事多っ

「は〜い!」

えっと、まずはタマネギを切って〜…

普通の人間なら目が痛くなって涙が出るところだけど、私は大丈夫。だってロボットだから。

こういうところは人間そっくりにしないでよかったと思う。まあ、涙を流すようにする技術がなかっただけだろうけど。

私は悲しくても涙は出ない。

そんなことを考えているうちに野菜を切り終わった。

次はレモンか〜 どうしようかな?

とりあえず皮を刻んで野菜と混ぜる。あとはレモンを絞って、ドレッシングをかけて… 完成!

「マーサさ〜ん、サラダできました!」

「アリアちゃんほんとにすごいね!私より早いかもよ〜?」

マーサさんが笑う。

「あははっ、そんなことないですよ〜」

つられて私も笑う。マーサさんの笑顔って、あたたかいなあ…

今まで私はずっと、厳しい目で怒鳴られるだけだった…

それからはお客さんがどんどん増えてきて、本当に目が回るような忙しさだった。

食堂が閉まる時間。でも仕事はまだまだ終わらない。

「じゃあアリアちゃん、そこのお皿をそこの食洗機に入れといて〜!」

「はーい!」

やっと仕事が終わって、ご飯だ!

「はい、アリアちゃんの分!いっぱいお手伝いしてくれたから、大盛りだよ!」

「ありがとうございます!」

じゃあ、

「「いただきます!」」

…美味しい!

今までは研究所の食事…と言ってもロボットが調理したパンとスープだけだったけど…を食べていたけど、今まで食べたどんなものより美味しい!

思わずどんどん口に運ぶ私を見てマーサさんがニコニコ笑っている。

そういえば、今はロボットが自動で料理してくれるのに、なんでマーサさんはわざわざ全部手作りなんだろう?

「あの、マーサさんってロボット、使わないんですか?」

思い切って聞いてみる。

「こんな忙しいのにって思ったのかい?」

「はい。」

「確かに自分でやるのは大変だけど、人が心を込めて作った方が、美味しいと思うからだよ。」

心を込めて…かあ

「そうなんですね。」

ご飯を食べ終わって、自分の部屋に戻り、ベッドに入る。

今日はいろんなことがあったな… 研究所はどうなっているんだろう?追いかけてきたり、しないかな…

そんなことを考えているうちに、いつの間にか私は眠りについた。

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叶わない恋に奇跡を【1話】
https://tohyotalk.com/question/455144

叶わない恋に奇跡を【2話】
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叶わない恋に奇跡を【3話】
https://tohyotalk.com/question/466946


あ、はまっちゃったw


>>2
ありがとうございます😭

自信ゼロなので本当に嬉しいです‼️


>>3
うふふ。今度アドバイス下さいw


>>4
えええ〜

アドバイスできるくらい上手くないですよ〜?


>>5
そんなことないですー


>>6
いやいや

全くの素人ですよ〜う??


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