叶わない恋に奇跡を【5話】

6 2023/02/11 09:52

マーサさんの宿に泊まらせてもらってから、もう三日が経った。

毎日すごく忙しいけど、でも、すごく楽しい。

今日も、窓から優しく差し込む太陽の光に起こされ、もう見慣れた階段を降りて行く。

「マーサさーん!おはようございます!」

「アリアちゃん、おはよう!」

もうマーサさんともずいぶん仲良くなった。

昨日は、カリムが遊びに来てくれた。

「そうだアリアちゃん、今日は、アリアちゃんに紹介したい子がいるんだ〜」

紹介したい子?

「サラちゃん!おいで!」

マーサさんにそう言われて出てきたのは、サラサラの黒髪ボブのお人形みたいにかわいい女の子。

「…サラです」

恥ずかしそうに彼女が答える。

「サラちゃん、この子、アリアちゃん。三日前からうちの宿で泊まってるんだよ。」

「あ、アリアです。」

私もあわてて自己紹介をする。

「二人とも、年が近そうだから仲良くなれるんじゃないかと思って。じゃあ、あとは二人で話しておいて!」

そう言ってマーサさんは仕事に戻って行く。

えっと…何話そう…?

「えっと…アリアって呼んでいい?」

先に口を開いたのは彼女だった。

「あ…うん!じゃあ私もサラって呼んでいい?」

私は慌てて答える。

「うん!よろしく、アリア!」

サラがぱっと笑顔になる。かわいい…

「ねえ、アリアって何才?」

わわっ、歳…?

「…えっと…じゅ、18才!」

慌てて考えて答える。

「私も!同じ年だ!」

「私たちもう友達だねっ!」

友達…嬉しい…!

「うん!」

私は答える。

「ねえアリア。隣の村におしゃれなカフェあるんだけど、今から行かない?」

行きたい!と言いかけて、思わず口を閉じる。宿の手伝いは…?

思わずマーサさんの方を見ると、「行っておいで」と言うかのように笑っている。

「うん!サラ、行こう!」

「行ってきます!」

二人で並んで商店街を歩き出す。

少し歩いたところで、カフェの看板が見えてきた。

「ここだよ!」

わあ!

そこは、外見がレトロですごくかわいいカフェ。

「こんにちはー!」

サラがそう言いながらカフェの中に入っていく。

「あら、サラちゃん!いらっしゃい。」

カフェの店員さんが答える。顔見知りなのかな?

「その子は?友達?」

店員さんに聞かれてサラが答える。

「うん!友達!」

友達だって言ってもらうたびにすごく嬉しくなる。

友達…!

席に座って、サラが何か注文する。

しばらく待って、出てきたのはフルーツがたくさんのった大きなパフェ!

「すごいでしょ!ずっと食べてみたかったんだけど、一人じゃ食べ切れなさそうだったから、二人で食べよ!」

サラが言う。

「うん!」

私たちはパフェを食べて、そのカフェを出た。

「おいしかったね!」

「うん。おいしかった!」

そんな他愛もない話をしながら、商店街を歩いていく。 

「じゃあ、私の家、こっちなんだ。アリア、またね!」

サラがそう言って手を振り、小道に入っていく。

「サラ、またね!」

私も手を振りかえす。

そうして私も宿に戻った。

今日も手伝いが終わり、ご飯を食べる。

するとマーサさんから封筒を手渡された。

なんだろう?

「アリアちゃんにお給料だよ。いつも手伝い頑張ってくれてるし。友達もできたんだから、遊びに行くのにお金とか必要だろう?」

「え…でも…。」

私がもらっていいのか戸惑っていると、マーサさんが

「いいからもらって!いつも手伝ってもらって、アリアちゃんには感謝してるんだからね!」

と言う。

「ありがとうございます…!」

はじめてのお給料をもらって、二人目の友達もできて、今日は幸せだなあ…

そう考えているうちに、いつのまにか眠りへと引き込まれていた。

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あーこのシリーズ好きなんだよな


>>2
うれしい‼️


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