小説 / 暈す
「性別」
それは、自分が一番好きじゃない言葉だ。
何事も線引きをすれば、争いが生まれる。それを性別でしてしまえば尚更だ。
性自認に関しては、自分は男性と女性、どちらにも当てはまらないと思うし、当てはめたくなかった。
なので自分は、性別の項目に「選ばない」があるとき、それを選んでいた。
それが自分の「普通」であり、「一番楽な選択」。
その「普通」を理解できない人達は、揶揄してくる。
理解しなくてもいい、受け入れなくてもいい、無関心でいいから、お願いだからデリカシーのない言葉は言わないでほしかった。
そんな自分が、一番救われた話をしようと思う。
今どきの社会はLGBTQ+の時代になり、「誰も取り残さない」とか「一人一人を尊重しよう」とか、自分のような人間にとっては嬉しい言葉がたくさん見られるようになってきた。
だけど、自分と同年代の人々はまだ理解が足りなくて、どうしてもタブーな発言が多かった。
理解が追い付いていないので、それをタブーだと思わずに平気で口走る奴もいた。
そのたびに自分が傷つくのが嫌で、、。
気が付いたら、自分で自分の心をスカスカにしていた。もう何を言われても、何も感じなくなってしまった。
もう生きることさえ苦痛になってきたある日、学校で自分に関して答えるアンケートのようなものを配られた。
最初に情報を書く。学校名、名前、誕生日、性別…
性別。そこには、「男性」、「女性」、「選択しない」があった。
自分は、「選択しない」に丸を付けて、アンケートに答えた。
その時。
「あれ?○○くん、男じゃないの?性別の項目、選択しないに丸つけてる」
と、やけにでかい声で隣の席の女子に言われた。教室はだいぶ静かだったので、みんながこっちに注目している。
頭が真っ白になった。
だけど、すぐ取り繕って「あ、間違えちゃった」と言いながら、消しゴムで丸を消して、「男性」の項目に丸を付ける。
「なーんだ、間違えたのか、びっくりした」と言われたので、適当に笑ってあしらいながらアンケートを続けた。
内心、泣き叫びたい。
だから女は嫌いなんだよ、と思いながら、泣くのを我慢してうつむいた。
何で少数派はこんな思いをしなければいけないのだろう。
なんとかこの時間を耐え抜いて、休み時間が始まった。
休み時間が始まってから少し経った頃、友人がやってきて、
「なぁ、あの女子デリカシーなかったくね?俺なんであんなの大声で言うんだよって思ったんだけど。
何あいつ、『男じゃないの?』とかさぁ、もうちょっといい聞き方できんのかな」
と言った。自分は心のどこかで「分かってくれる人もいるんだ」と安心した。
このトピックは、名前 @IDを設定してる人のみコメントできます → 設定する(かんたんです)
てめぇマジでいい加減にしろ!!
下ネタ書くぐらいだったら,おとなしく勉強してろ。しかもこんないい小説に下ネタ書くなガキが。
主さんが可哀想って言う概念はないんですか?
全然!
逆に面白いです。
上のコメントは,さっきまで下ネタ言っていた奴がいたからこんなコメントしました。不快に思わせちゃって申し訳ございません。