ダークマター誘拐記~ゼロの走馬灯~第二話 ダークマターは冥土の雅
むダークマターさんやゼロ様のキャラ崩壊凄い。
ゼロマタです!!!!マジ注意!!
キャラ・性別自己解釈
ほぼ擬人化
メイド服を着ているキャラクター
☆おおまかなあらすじ☆
ゼロ様は前世で色々あって死んじゃったから輪廻転生で人間として蘇ったぞ!
だから現代日本で前世で成し損ねた野望を達成する為に頑張ってるぞ!
そんでもってそこら辺にいたダークマターっぽい人間を誘拐したぞ!
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第二話 ダークマターは冥土の雅
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ダークマターがゼロの家に誘拐された三日目の朝…
「おい、ダークマター、何をしている。」
「掃除です。庭の。」
そういってサッサと箒を振る。
「そうではない、お前の格好についての質問だ。」
「はい?あ、これですか?」
「それだ。」
ダークマターの格好に何の問題があったのか。
それは一目見れば察せられるだろう。
「何だ、その…『めいどふく』は」
そう、何を隠そうダークマターはメイド服を着ていたのだ。
「ゼロ様もこの服は違和感がお有りですか?」
すっかりゼロ様呼びが板についたダークマターがそんなことを言った。
が、違和感があるかどうかという問題ではない。
メイド服はそう易々と着て良い服であっただろうか。
「…お前が良いと言うのであれば良いのではないか…」
ゼロは半ば諦め状態で言った。
「…前から思っていたのだが、お前は少し…浮世離れしていないか?」
「え、やっぱりそう思います?」
ゼロの言った通り、ダークマターの行動は所々不可解な事がある。(まぁゼロも大概だが)
「俺、元々田舎の方に住んでて、数年前にここら辺に移り住んだんですけど…ちょっと周りの常識との不一致を感じるんです。」
「その『めいどふく』もその延長線上なのか…?」
「はい、冥土服はめでたい日に着て死んだ人に敬意を表す神聖な服だと教わりました。」
「待て、そんな話は聞いた事がない。」
ゼロはどんな家に生まれればメイド服は神聖な服だ、と教えられるのだろうか、と思案した。
「え?実家では常識なのですが。」
「…まぁ良い。今日は図書館へ行くつもりだ。その格好で行く事は流石にできんだろう。着替えてこい。」
「大丈夫です。このままで行きます。」
否、周りから見れば全くもって大丈夫ではない。
「…では行くぞ。」
ゼロは諦めた。
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図書館にて
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「おぉ〜、大きな図書館ですね〜」
「この辺りで一番強い図書館だからな。情報収集には持ってこいだろう。」
「というか、ここに何を探しに来たんです?」
「ダークマター族に関しての情報を収集する。」
「…え?俺の家族の事ですか?」
「前世のな。」
「あぁ、架空の方々の事ですか。」
「架空ではない。」
ダークマターからしてみればゼロは転生者ではなく唯の厨二病に毒された誘拐犯なのだ。
「で、ダークマター族の情報を集めればいいんですね。」
「それに加えて、お前にダークマター族の詳細な情報を知らせれば記憶も戻るかもしれない。」
「へぇ…」
対して興味なさげに応答するダークマターだったがスっと移動して本棚を漁り始めた。
「前に私の話を聞いて聞かせたというのに何故戻らないのろうか…」
ちなみにゼロの話した内容は先入観の押収であり現実と似て非なる内容であった。
「ダークマター族、ダークマター族…ない」
やっぱり妄想の産物だったのかと思っていると乱れていて表紙が読みずらい状態になった本を見つけた。
『…ー……ター…』
ダークマターそれがそれとなく気になったので表紙を捲ってみた。
「………………?」
知らない言語で書かれた文字に、薄いインク、経年劣化と重なって読みにくい事この上無かった。
しかし、ハッキリと読めた単語があった。
『ゼロ』
「ゼロ…様…?」
見覚えのある名前だった。
丁度その時別の場所を探していたゼロがなんの収穫もなかった、と少し落胆した様子でダークマターの元へやってきた所だった。
「ゼロ様、これを。」
「………………!」
ページを捲るやいなやゼロにとって昔の部下に当たる者達が大量に載っていた。
しかし、それ以上の衝撃がゼロを襲った。
『著者 ゼロツー』
「まさか……」
ゼロツー。
前世でゼロよりも上の階級はなかった。
しかし、ゼロツーはダークマター族の中でも唯一ゼロと同じ地位を持っていた者の名前。
しかし何故、こんな所にゼロツーの名前が?
もしかするとゼロの考えの通り、ゼロツーも転生しているのかもしれない。
そうでなければこんなものある筈がない。
「…よくやった、ダークマター。」
「え、ええとありがとうございます…?」
「……でもなんでゼロ様の名前がここに?偶然名前が同じなだけ、とか…」
「まだ、思い出さないか。」
「あ、はい…別に何も…なんか引っかかりますけど。」
「そうか…」
少々残念そうであったがすぐに切り替える。
「もう少し探して一族の足取りが分からなければ帰る。それで良いな。」
「はい」
しかし彼等は忘れているが、この場には重大な問題があった。
※「あ、あの〜…」
呼び止めたのは図書館の司書だった。
「なんですか。」
探そうとした瞬間話しかけられ、微妙に不機嫌に応じる。
※「その服は少々…派手なので…ご遠慮願いたいのですが…」
「あ、冥土服の話ですか。」
メイド服で図書館に来ていれば目立って仕方なく、他人ですら読書等に集中の仕様がない。
それに加えゼロを様付けしている所から犯罪臭がする。(実際誘拐しているので犯罪だが)
「確かにこの服は常識外れではある。しかし、別に人に迷惑を掛けている訳ではないだろう。」
※「それはそうですが………ここは本を読む場なので…」
「でもここの図書館の注意事項に冥土服で入ってはいけないとは何処にも書いてません。」
※「えぇ…いや、常識的に…」
「そうですかね、俺の家では普通だって…」
「注意に書いていない事で罰するのか。それは法律に書いていないというのに有罪にするのと同じだ。」
誰もが仰天する様な事をメイド姿の男が言い始め、誰もが何が同じな物かと思うような事を誘拐犯が口走っている。
※「い、いやぁ〜………」
それからも暫く司書との問答は続いた………
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「出禁食らいましたね。」
「あの司書、館長に言いつけたな。」
粘着質に司書への尋問…否、質問をし続けた結果、見事に出禁にされた二人は渋々図書館を出て帰路についていた。
「元はと言えばお前がメイド服なんぞ着て来たからだろう」
「ゼロ様も止めなかったじゃないですか。」
「それを神聖な服とは親の顔が見たい…」
「あ…ちょっと遠い所に住んでるので新幹線でも予約しないとですね。」
「そういう事では無い。」
ゼロには全くダークマターの親がどんな人間なのか想像することが出来なかった。
「両親はお前が失踪した事を不審に思わないのか?」
「大丈夫ですよ、放任主義の親なんで。」
「…しかし明るみになるのも時間の問題か。」
「まぁ捜索願出されたらゼロ様捕まっちゃいますね。」
そう、傍から見れば(片方がメイド服を着ているだけの)友人の様に見えなくも無いが実際は誘拐犯とその被害者なのだ。
「帰るか。」
「ゼロ様の家に?」
「自分の家に、だ」
そもそもゼロからすれば記憶を戻すのに手っ取り早いと言うだけで別に同居は必要事項ではない。
帰りたいと言うのであれば帰れば良い、ゼロはそう考えていた。
ダークマターは暫くの間を置いてからこう言った。
「……もしかしたら不孝者かも知れません。でも…」
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「俺は、貴方と一緒に居たい」
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ちょこっとあとがき
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この回凄いラブコメっぽいですよね。
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