愛梨沙とarisa プロローグ「ポケ村での出会い」

2024/04/16 17:33
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「あ、えーっと…ゆずくん…かな…?新しく村に入村してきた子」

愛梨沙は、眩しく光るパソコンの画面に向かって話しかけていた。もうすでに外は暗い。今日は、春休み最終日。明日愛梨沙は、一年生として高等学校に入学する。あと3時間半で学校が始まるというのに、愛梨沙と同じ中学校の、梨沙先輩とネットゲームをしながら通話していた。

「うん。愛梨沙と同じ高一だよ。今度私主催のオフ会するから、その時会えると思う。そこそこの中級者で、すでにアイテム持ってたかな。」

愛梨沙は無造作にマウスを動かし、チャット欄を覗いた。チャット欄は目まぐるしい勢いで会話が飛び交っている。こんな勢いで自分や相手が打った文字が消えていくというのに、どうやって相手と会話を成立させるのだろうか。

愛梨沙と梨沙は小さい頃からご近所付き合いのおかげで、仲良くしていた。どちらかというと2つ年上の梨沙に愛梨沙がお世話されていた方が合っているのかもしれないけど。そんな梨沙は中学校に入学すると同時に、パソコンを買ってもらったそうだ。梨沙が自慢げに見せてくる銀色に光るパソコンに、愛梨沙は憧れていた。愛梨沙は梨沙より2年遅れて、中学校に入学した。愛梨沙も梨沙と同様、親にパソコンを買ってもらえると信じて疑わなかった。しかし、共働きの両親が愛梨沙のパソコンを管理できるかは厳しいという考えから、愛梨沙にパソコンを買うことは先送りという形になった。そんな愛梨沙の悲しむ顔を見て、梨沙は今まで使っていた、銀色のパソコンを愛梨沙に譲ると言った。愛梨沙は喜ぶと同時に、こんなものを自分が持っていいのか、という戸惑いもあった。梨沙はいやいや、と否定して、自分は新しいパソコンを自分のお小遣いで買ったそうだ。そんな形でパソコンを愛梨沙が手に入れてすぐに、梨沙は愛梨沙を自分がプレイしているネットゲーム、「ポケットで森!」を愛梨沙にも勧めた。「ポケットで森!」はネット上の仲間達で「ギルド」と呼ばれるグループで村を作り上げていくゲームだ。梨沙がギルドマスターをしている村に入れてもらって、愛梨沙はプレイしていた。

そんな形で愛梨沙と梨沙は先輩後輩からゲーム仲間という関係に変化した。2人の村は比較的小規模にも関わらず、「強豪3村」と呼ばれる3つの村に名前を連ねていた。メンバーはたったの5人。全員地元の中学校や高校の生徒という子どもなのはあまり知られていないことだ。おそらく、新しく入ってきた「ゆず」も、ここの近くの新高校一年生なのだろう。それなら仲良くなっておかなくちゃ、と愛梨沙は思いながらも、ゲームをプレイしていた。

しばらくプレイしていると、ギルドチャットというギルドのメンバーしか見ることのできないチャットにぽこんとメッセージが送られてきた。

〈ゆず:こんな時間にプレイしてるんですか?今日学校ですよ?〉

「ゆず…?」

ー続くー

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タグ: 愛梨沙 arisaプロロー.. ポケ村 出会い

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