あなたの為なら・
グォングォン…
換気扇の機械音が響き渡る。
あなたに、停止をお願いする。
でも、間に合わない。
手を伸ばしても、届かない。
目の前で亡き人となった友達を--------。
今でも、救いたかったと後悔をする。
叶わないそんな願いを、夢を、祈りながら。
今日も一人、
謳歌する。
全てがくだらない、この世界を。
その日は、雲ひとつない、綺麗な日だった。
一緒に隣で歩く君も、またいちだんと綺麗で。
私はきっと、あなたが羨ましい存在だった。
つい、顔を見続けてしまう程に。
おーい、ー~ ̄ー…?
ハッとする。意識がないほどぼうっとしていた。
目の前に、大きな踏切があった。
「これ、何だろう…?こんなの、あったっけ…?」
警報が鳴り響く。こんな音も、踏切も、ここでは見たこともない。
日に雲がかかり、薄暗くなる。
昨日まで、何の変哲もない道なはずだった。
横から、クロいネコがとことこやってくる。
その時。
あの、“呪い”は始まった。
踏切が、カタツムリの様に、
ゆっくりと、ゆーっくりと下がってくる。
「おっとっと、」
踏切があと1mほどで閉まる。
カンカンカンカンカン…
刹那、あのクロいネコが、
こちらを向いてから、線路に飛び出した。
踏切の水溜まりに、黒い空が映る。
踏切の中に入りきる寸前の、
そのネコの笑顔は、
なんとも言えない不気味な笑顔だった。
あそこで、ボクを殺さなきゃ、ゐけなかったんだヨ。
キミは、判断を間違えたのサ。
「え、あのネコ、危なくな…」
トモダチの意識がおかしくなったのか、途中で言葉が途切れる。
そして、あろう事か、踏切内に飛び出す。
カンカンカンカンカン…
カンカンカン…ギャアッッ………キャァァアッ!!!
ガンガンガンガン… アアアッ…
…アァ嗚呼、キミってば、ほんとに情けがないネエ…。
水溜まりが赤く染まる。
こんなんじゃ、また…
…イイよ、もう1回、してあげルサ。
恨みが、
晴れるまでネ!
目の前で、大好きな友達が亡き人になりました。
誰のせいでも無い、不幸な事故だった事にされた。
あの日は、突風が吹いていたからね。
きっと、何か拾おうとして、落ちちゃったんだよ。
残念だけど、これは誰のせいでもないのーーーーー。
あいつの、せいなのに、、、!!
ニヤニヤと笑う、あの5人集団が
許せない。
こんなの、酷すぎる。
教室中に、泣き声が響き渡る。
「どうしたノ?誰か、恨んでるノ?」
その時だったのだと思う。
“呪い”にかかってしまったのは。
クロいネコにお願いをしたんだよ。
仇をうたせてほしい、って。
クロいネコは喜んだ。
任せてヨ!と言って消えてしまった。
踏切…いや、踏切では無かったのだ。
そこには、誰のものでも無い、黒い猫の置物があっただけ。
その日、死人が4人でた。
あの子と同じ、転落死で。
“呪い”が解けなくなったのは、この日から。
気持ちの良いそよ風が、さらさらさら、流れてくる。
川がわんわんわん、泣く。
僕の目にも、沢山の汗がある。
声は出ない。出るわけない。
----- 僕の口元が微笑んだ。
ホラ、これでドウ?
キミの満足できるまで、付き合うヨ。
ナニ?もう1人のやつは、恨みが晴れるまで、殺したイ…?
やりなおス、ってことなのかナ…
イイよ!!ボク、やったげるヨ!
ーーーーー コレでも、やりなおス?
それとも、別の方法でカタキをうツ?
「…いや、このままで、もう一度、やりなおすよ」
あいつが死ぬ、20分前に。
こんなんじゃ、足りない。
これで、432回目。
あなたの仇を、沢山うつよ。
自○をしてしまった、あなたのために。
僕の気が、晴れるまで。
アナタの気が、晴れるその日まで…。
「…ニンゲンは、愚かだヨ、ほんとうニ…」
にゃんっ、と鳴く。時が戻る。
何もなかったように、また、あの日々が訪れる。
それだけは、まだしない。
というか、きっと、もう訪れない。
もう、戻れないから。
それは全部、呪いのせい、だから…。
少し時をさかのぼり。
いつの日かのクロいネコは、微笑みながら歌いだす。
ーー イラッシャイ、ニンゲン。
他人の死の快楽、いらないカ?
今なら美味しい恨み付キ!
これはヤミツキになっちゃうヨ!
「え、あれ、良くない?」
「え、まじじゃん。」
女子5人組がこちらにやって来る。
「あのう、
私ぃ、最近嫌いな奴がいて。
そいつ、精神的にでも、殺したいんですよぉ…。」