【小説総選挙】『 星の涙 』
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「もしも星が降ってきたら?」
君はそんな話をする人だった。
訳のわからない話を、太陽みたいな笑顔で。
「もしもこの世界が全部嘘で作られてるとしたら、嘘も全部全部本当になったりもするのかな?
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「星を全て一本で繋いで、みんな仲良く手を繋いで」
そんな温かい話を君は夢に見ていた。
「…ありえないよ」
僕はそう言うけど君は
「夢は叶うから夢なんだよ」
なんて言って笑う。
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夜空の前で手を合わす。君は空に向かって歌う。
流れ星なんかよりもずっと綺麗な声で。
「このまま夜が続いて、静かな夜が続いて。」
君の願いが、煩い夜に静かに響いて消えた。
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「"もしも"なんて綺麗事だよ」
君はそんな僕の言葉を聞いて笑う。
「汚い言葉よりずっとそっちの方がいいでしょ?」
なんて言っていたずらっ子みたいな笑顔で笑って見せるから。
じゃあ、と僕は口を開いた。
「もしも君が神様だったら、この世界は光で満ちるかな」
なんて聞くと君はまた笑って言う。
「光は小さな一つでいい」と。
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「過去も未来も今もずっと変わらない願いは何?」
そんな馬鹿みたいな話を聞いてみた。
君は寂しそうに笑って言った。
「変わらない願いなんてないよ」
「永遠なんてどこにもないよ」
「願いが叶うから星が消えていくんだよ」
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夜空の下で手をかざす。君は空に向かって流す。
流れ星なんかよりもずっと綺麗な涙を。
「それでも朝日は昇って、世界は宇宙を回って」
君の叫びが響いて、また散っていった。
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優しくて、温かくて、それが辛くて。
泣いて、笑って、また泣いて。
月も星も君もみんな同じように、いつか綺麗に燃え尽きていなくなってしまうの?
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「ぁ、星が笑った」
そう言って君も僕の隣で笑った。
流れ星なんかよりもずっと綺麗な笑顔で。
「もしも本当に願いが叶うとするのならば、」
_星に、涙を。
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夜空の前で手を合わす。君は空に向かって歌う。
流れ星なんかよりもずっと綺麗な歌を。
「このまま夜続いて、2人の時は止まって」
君の歌が、君の声が。
君の願いが、2人の夜に静かに響いた。
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なんか大分前に作った歌を発見したので小説総選挙で出してみようかなと_( _U・ω・)_
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