夕暮れの君を指差した
⚠️少しグロ?流血表現まではいきません
突然だけど、僕は夕暮れが好きだ。
開幕早々そんなことを言ったって「何言ってんの?」くらいにしか思われないだろうけど、それでも僕はどうしようもないくらいに夕暮れが好きだった。君と歩く、ほんのりと紅く照らされた道路が、とても楽しい道だったから。
もう君は遠い学校に転校してしまったけれど…
僕は君のロングヘアが靡き、笑いかけてくれたのを思い出す。楽しい日々が続いていた。
続いて…いた。
"一緒に帰ろう!"
えっ!?う、うん!
"今日は…アイスでも買って帰っちゃう?"
でも、寄り道はよくないし…。ま、まぁいっか…
"好きな人できた!!すごいかっこいいサッカー部の先輩なの!"
へ、はぁ、ふーん。そうなんだ…頑張ってね…。
"ふ、フラれちゃった…"
!…まぁ、次があるよ!!
"君、ほーんと馬鹿だよね!ちょ、嘘!冗談だってば…"
も、もう…君が頭いいだけだよ…。
"ん…?今日は元気ないね、って…?あー、うん。
ちょっとね…"
どうしたんだろう…?
"実は私…転校するの。あそこ…今ゆびさしてる方向!あはは、見えないけどね!"
ザァ、と風が流れていく音がした。
その瞬間、いつものただの楽しい帰り道が、急に暗くどんよりとした空気に包まれて何が何だか僕は最初わからなかった。
彼女の指は夕暮れに照らされて、ちょうどオレンジ色になっていて、その笑顔もはっきり見えた。
少しまゆの下がった作り笑顔だった。
…脳が追いつかなかったけれど、理解した瞬間、僕はなぜか怖くなって走り出していた。
そんな僕を見た君が驚いて、少し傷ついた顔をしていたのはわかっていた。僕はそんな君の顔をみて驚いたんだ。そんなに意識してくれたなんて思わなかった。
でもそれと同時に君のその顔も、もう見られなくなるんだと思うと胸がきゅっと縛られたような感覚だった。僕は嫌になって、足を早く、もっと早く動かした。
…僕は、夕暮れが好きだった。
君と話す道、アイスを食べながら笑い合った。
今でも引きずってるなんて、君に知られたら揶揄われるのかな?
でも僕は…どうしようもないくらい。
君の髪の毛も、少し夕暮れに照らされた熱を帯びた顔も。全部全部…この空間が大好きだったんだ。
馬鹿みたいだろ?
「なぁ、笑ってくれよ___」
僕は赤く血濡れた君を包丁で刺しながらそういった。彼女は、僕を指を差して。
笑った
Fin
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