自分が作った物語を客観的に採点して!
Prologue
「ねぇ...聞こえている?」
物語は呼び掛けと同時に鐘が響き渡る空間から始まる。僕の耳には何故か高次元からの通信機が装着されていた。
「聞こえている」
僕は、呆気無く面白くもない答えを返してみた。それと無く其傍らを見てみるとそこには化野に酷く類似した遠く広がる墓地とその頂点で靉靆の中に紛れる仮想領域が存在した。
「聞こえている?」
「聞こえてい...る?まぁ、正しく聴覚と脳の論理回路が作動している限りは」
「面倒くさい言い回しをするわね。まぁ、聞こえているだろうけど」
声と反応から察するに、恐らく声の主は人間ではない。狐狸妖怪か魑魅魍魎に相当するような存在だろうと直感的に理解した。この空間を自由に探索しておいて、という声がまた届いた。そう言った後、通信機はどこか別の次元に引き寄せられてしまった。
漫ろ歩く後、墓地に見えたものは数学の塊であることに気づいた。四則演算からヒルベルト空間、集合論、様相存在論。視認できるだけでもこの物語を埋め尽くしてしまうほどの数学的理論や公理が存在した。数学の塊の中には、人間の思考方法を単純な等式で合わせた拡張的数学も存在し、逆に悪魔の証明自体が存在すると存在しないの二元論的な概念や構造では押し測ることもできない高次の悪魔が提唱した矛盾性と不完全性の一つの人間用の教材なのではないか。を説明した理論も存在していた。
さて、改めて辺りを見てみると、無限の数学の塊は一つのまた大きな数学的構造を作り上げている事が認識できた。数学の塊が数学的構造を作り上げているのか、数学の塊が数学的構造の側面なのか皆目見当も付かないが、その数学的構造もまたより大きな数学的構造を作り上げることは容易に予想できた。数学的構造が作る数学的構造は、自身を引き合いに出し、新しい数学的構造を作り出す拡張方法が存在するだろう。これは弁証法と言っただろうか。

