偽りの妹
最近の家には絶対に一台はあるお手伝いロボット。最近父が奮発して買ってきた。そこそこの知能があるロボットはものすごく高い。父と母は子供のようにウキウキしながらロボットの電源を付ける。するとゆっくり目を開けてピピピッと音がした。
「はじめまして。AIロボットのTRTです。何なりと命令してください。」
ロボットはキラキラとした目をしている。少し触れてみると本当の人間のような感触で気持ち悪い。目を逸らして自室に帰る。
「お前の名前はな、アイとかどうだ!AIのアイだ!」
「お父さんの昔の愛人の名前じゃない!家族になる子なんだから違う名前にしてよ!」
「こちらなんでしょう?先程からぶつかってきます。」
ロボットは足にぶつかるルンバを敵と認識しているようだ。
(うるさ。)
俺は耳栓を付けてベッドに横になる。
翌日。体を起こすとロボットが立っていた。
「どけ、AI。」
「私の名前はアイルです。AIではありません。」
「うるせぇ。そんな事どーでもいい。」
ロボットを押し退け部屋から出ようとする。ロボットは俺の手を痛いほどに掴んでくる。顔立ちは女性だが相手はロボット。力が強く離せそうにない。
「いてぇ。離せ」
「それなら殺意を向けてみてください。」
「は?おま、何言って」
「...いえ何でもありません。」
ロボットは俺の手を離し先に一階へ降りていってしまった。
(あのロボット絶対不良品だろ。ちょっと怖かったな)
一階へ降り机に座るとロボットが椅子に座っていた。
「なんでこいつと一緒に飯を食わなきゃならねぇんだよ」
「別にいいでしょ、それに食べるってわけではないわ。」
「そうだぞ、アイルはオイルを飲んだからな!」
「...その名前もやめろ」
アイルは数年前に死んだ妹の名だった。朝起こしに来るのも腕に抱きついてくるのもあいつなりの愛情表現。それに声があいつの声とそっくりだった。
「ご飯を食べましょう。お兄ちゃん」
「...!気持ち悪い!俺に話しかけるな!」
「おい!アイルに向かって何を言ってるんだ!」
「大丈夫です。冷たくあしらわれるのはなれています。」
食パンを口に加え自室に帰る。
そしてパソコンで調べ物。最近行方不明者が増えている。俺の叔父は探偵をしている。その調査の手伝いをしている。調べた結果、行方不明者が一人出たら最近流行りのAIロボットTRTが出ている。
(どういうことだ?もしかして人間をロボット...?んなわけがw)
自分の中で自己完結してゲームを始める。ドアが開いた。
「母さん?昼ご飯はまだのハズだろ」
「何のゲームしているの?お兄ちゃん」
アイルの声がして振り向くとセーラー服に長い髪少し赤みがかった頬はアイルそのものだった。
「アイル...?アイルなのか?」
「もぅ、そんなことよりお部屋お掃除しなきゃ!やっぱアイルがいないとダメダメなんだから!」
(これは、夢なんだなぁ。でも...)
「ははっそうだなぁ。アイル、帰ってきてくれてありがとう」
「何泣いてるのよ!お兄ちゃんが泣いたら私だって...ふぇ〜ん」
アイルは貰い泣きしてぴぇぴぇと泣いている。頭を撫でてやるとニッコリと笑う。あぁやっぱりアイルより可愛い奴なんていないよなぁ。
(これだけは認めよう。アイルでもアイルじゃなくてもアイルに出来なかった分愛でてあげよう。)
「...すごい幸せそうな顔をしているわね。」
「あぁアイルに似たロボットを近くに置くだけでこうなるとはもっと早くやっておけばよかったな。」
「お役に立てて何よりです。」
いろんな血液パック繋がれ幸せそうに笑って寝ている。
「海利は死にかけだったのにこれで生命力が上がればいいが」
「そうね。でもいいじゃない。イケメンのAIロボが出来るって噂されるわね!」

