「総選挙」聖夜の咎
幼い頃の俺はクソガキで、大人も手を付けられない程の子供だった。それでも両親は俺にプレゼントをくれた。俺はこんなに悪い子としてるのにサンタさんはプレゼントくれるなんて優しいな!とプレゼントを貰うたびにそう思っていた。ある日俺は優しくなりたいと思った。その頃俺は好きな子が居た。好きな子は優しい人が好きらしく心を入れ替えようと頑張った。まぁ好きな子には彼氏居たみたいなんだけどね。
だから今の俺は口は悪いけど結構優しいと思う。心を入れ替えたからな。小さい頃は野球して窓割って叱られてたっけ。でもそう言えば俺が悪いことをしていくと近所の大人達は笑ったり泣いたり呆れたり...昔はなんとも思っていなかったけどなんか不気味だよなぁ。
っと、その前に仕事仕事。またボーっとしてたら部長に怒られる。今日はクリスマスだ。彼女は居ないがケーキが安く売っているからいい日だと思う。定時になると立ち上がり鞄を持って家に帰った。
「ただいま〜」
誰も居ないけど無意識に言う。すると奥に人影があった。怖かったが傘を持ちゆっくりと部屋に入る。剣道2級を舐めるなよ。ジリジリと入っていくと大柄な男性だと気付いた。...俺負けるんじゃないか?いや、いやいや大丈夫だ。剣道習ってたし。大男の後ろに立つと床がギシィっと鳴った。大男は振り向いた。真っ黒な格好でひげがモサモサ生えていた。赤色だったらサンタっぽいけど...そう言えば子供の頃黒いサンタを聞いたことがある。どういう話だったか...
「B1345。帰宅を確認。すぐに罰を行います。」
大男は淡々と話す。それは俺に向かってじゃない誰かに話している。この部屋には俺と大男しか居ない。がこのまま黙っておいた方が良さそうだ。逆鱗に触れれば何をされるかわからない。
「あ、あのぅ...」
「始めまして。それでは行きましょう。」
「は?行くってどこに...」
「それを知る必要はありません。」
「...?」
「では行きましょう。」
大男はパチンッと指を鳴らすと俺はバタッと床に倒れ込んだ。段々と意識がなくなり目が覚めると真っ黒な空間にいた。音もなく、何かの匂いもなく、触れるものもない。立っているが床の感触がない。
「こ、ここどこだ?俺さっきまで部屋に居たよな?」
「B1345。成功しました。体調の不調は感じられません。」
「こ、ここはどこですか!」
「...話しかけられています。意識があるようです。」
「家に返してください!」
「申し訳ありません。あなたはここで5年間過ごさなくてはいけません。ですが大丈夫です。5年間過ごせば5年間分の記憶を背負いますがここから出られますので。」
「ハァ?ちょっと待って...」
「では、さようなら。」
俺は大男に言われて仕方なく歩いた。ずっとずっとずっと。...
もう何時間歩いた?喉も渇かないし腹も空かない。もしかして本当になにもないこの空間で5年間歩き続かなくちゃいけないのか?大人達の意味深な行動がわかった。笑ったり悲しんだりしていたのは...こうなることが分かっていたから?
こんなことになるなら悪いことなんてしなきゃ良かった。あぁ誰か助けてくれ。

