小説「とーと事件簿」下
「聞き込みの結果、知っている人はいないようだね」
「考察してる人はぽつりぽつりいたけど、これだっていう情報はなかったよね」
その日は一旦解散して個人で考えてくることになった。ミキはそんなことしたって意味はないと思ったが、心の声を抑えながら解散した。
その日の夜、ミキは布団の上であれこれと考えていた。過去のことをよく思い出したりあの人のことならと、考察を進めていったのだった。
次の日、みんなが集まり意見交換の時間だ。ミキはあまり元気がなかった。
「私はね、忙しいのかと思うよ。」
カナが真っ先に口を開いた。
トワが
「でも、忙しかったらトピで一旦てーふになる、とか発表しそうじゃない?ソラさんのことだし。」
と言った。
「たしかに!」
とカナは驚いたように言った。
「優柔不断なソラさんのことだから、トピックの投稿内容を考えてるのかもよ?」
とユウキが言った。
「「確かに!」」
ヒロトとトワが口を揃えた。
トワは恥ずかしそうにヒロトの方を見た。それから少しみんなが黙った後、トワが口を開いた。
「でも一つのトピックにこんなに時間がかかるわけ…」
「たしかに〜」
ユウキが無心に言った。
「ほんたら、トワは意見あんの?」
とヒロトがつぶやいた。
「うん、あるけど?一か月間旅行に行って、感想をまとめたり、動画編集して投稿するつもりなんじゃない?」
ものすごい推理力で説明を終えたトワ。ドヤ顔でミキのことを見つめてきた。「次はミキでしょ!」そんなことを言っているように思えた。
「ミキはどんなこと考えてきたの?」
ユウキが聞いた。
ミキは少し間を空けてから言い放った。
「ねぇ、DM、しないの?」
その言葉で空気が凍りついた。
「迷惑だし、ここ最近浮上してないから返信もないんじゃない?」
トワが言った。
「そんなこれもだめあれもだめだったら答えに辿り着くことはできないじゃん!」
ミキが勢いよく立ち上がった。
みんなは少し迷っていた。
「挑戦は大切なこと。問題の目の前で立ち止まってたらだめだよ!まずは何かやってみること。それから学んだことをこの先活かしていく、最初がなかったら何も始まらないよ!」
ミキの発言にみんなの心は動かされた。
そしてトワがゆっくりと口を開いた。
「そっか。そうだね。まずはやってみること…じゃあDMしてみる?」
みんなはその意見に賛成した。
そして話し合いの結果、ミキのアカウントからDMすることになった。
内容は
「こんにちは。そしてDM失礼します。最近浮上がないですね。何かあったのですか?心配になりました。返信遅れてもいいので無理せずお過ごしください。DM失礼しました。」
という。
そして今日は解散して返信が来たらまた集まる、ということになった。
それから二日後のこと。
ミキのアカウントに通知が1件届いた。
その事をメンバーのみんなに伝え、集まった。
そしてその通知を見てみると、ソラさんからの返信だった。
「意外にも返信早いね。」
トワが呟いた。
その事についてはミキも驚いた。
「じゃあ、読み上げるね。」
ミキは返信内容を読み上げた。
「わざわざDMなどと心配していただきありがとうございます。
実は今日から活動復帰なんです。
私としたことが活動休止トピックを投稿したつもりでしたが、画像を選択していなくて投稿するを押してすぐに閉じてしまったんです…
心配かけて申し訳ございません。
このことはトピックにしておきます。
ところで次の日曜日、ボイスチャットしませんか?
もしよければ一緒にお話しましょう!
長文失礼しました。
…だって。」
全員驚いて一瞬固まってしまった。
たまたまの活動復帰と投稿ミス。
そしていきなりのボイチャの招待。
「なるほどね。ソラさんもおっちょこちょいなところもあるのね。」
トワが言った。
「まぁ、人間しも失敗あるし?」
カナがトワの言葉をかき消すように言った。
「まぁ、ソラさんが元気そうで良かったよね」
とミキが呟いた。
そこにヒロトが割り込んできた。
「特に驚いたのはさ、ボイチャ案件だよね」
「よかったぢゃん☆」
トワが悪そうな顔をしてこちらを見る。
「素直になれよっ」
ユウキも言った。
「あー、うん!」
ミキは苦笑した。
…
それからしばらくして解散になった。
次の日曜日、ミキはソラさんと一緒にボイスチャットをした。
ミキは自分がソラさんの事を尊敬していると伝えた。
そして二人は仲良くなり、事件は解決したのであった。
終わり
※この物語はフィクションです。
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