今のって××〇〇じゃないですか??
最近、現実世界からかけ離れたもう1つの世界、いわゆる「パラドクス」が流行している。
「皆が知っているけれど、誰も知らない」をモットーに、我が「GZ精密機械研究室」が発明した架空空間である
その研究室にこもりっきりで、常に監視しているのが私、林 友里である
「監視」といっても、何か炎上や技術的問題が発生した場合のみ派遣される人間なので、いつもはモンエナを片手にゴロゴロとパソコンで猫の動画を見ている
正直、暇を持て余していて、何もすることがなく、又何もする気がないのである
毎日では無いけど、販売会社や店の人が来ることもある
若い女の子の研究員はその度に痴〇サれて、可哀想だと思う
まぁ、もう三十路まっしぐらの私には興味すら持たれないのですが……
ピンポンの音で目が覚める
あ……いけない
寝落ちしてた……
さっきも言った通り、時々会社の人が来る
「はいはい、今出ますよ……っと」
「はい、セールスならお断りしてマース」
「え」
会社の人じゃない
よく分からない「ソレ」が腕をのばしてピンポンを連打している
開けかけたドアから「ソレ」が侵入していく
「いやだ……まだ、まだ〇にたくない……」
思い出した。仮想空間上に発生した人々の「ワダカマリ」はこの世に真っ黒の「ソレ」として排出される。
その瞬間、私の口や鼻など、ありとあらゆる××から「ソレ」が私に侵食していった
研究員と思われる人が階段を下ってくる音がする
「たす……け……たし……た……ちゃう」
なんとか絞り出した声が研究室に木霊する
それが研究員に聞こえたかは分からない。だけど、不思議と眠るような形で私の意識は奪われた
「ん……?」
目がもう一度覚めると、私はチューブが沢山繋がった生理食塩水で満たされているボトル型のシェルターに閉じ込められていた
チューブからは空気や栄養剤が出ているらしく、息が苦しくもなければ空腹になることもなかった
必死にレポートを読み漁っている仲間がこちらに気づいた
「あっ、ゆりさん!目が覚めましたか!?」
「心配したんですよ、僕が来た時にはもう跡形もなく食べられてましたから」
この子は同期の蒼空くん。いつもは冴えない男の子って感じだけど、今はそこそこのイケメンに見える。気のせいだろうか
蒼空くんの手元にあるレポートを見るに、私は奇跡的に残っていたDNAと脳をデータ化してクローンを作ったようだった。私の元の××は蒼空くんの近くのドラフトの試験管とフラスコに詰まっている
「体は今のままだと、5時間持つかどうかという感じで、延命するためには完全にデータ化して仮想空間に飛ばさないといけないみたいです。どうしますか?」
勿論、このシェルターは政府が宇宙探索の特殊生物の為に作ったものなので、人間だと1日も持たずにガス切れを起こしてしまう。どうしたものか
その時、私の頭には2つ案が浮かんでいた
1つは、「残りの5時間を研究に費やすこと」、2つ目は「仮想空間上にアップロードして監視を行うこと」。
お金や倫理的な面で言うと、前者がいいのだが、今は蒼空くんを1人にする方が怖い。
だから、近くのパネルで後者を選ぶことをタイピングした。
「友里さんなら、そっちを選ぶと思ってましたよ」
そう言って、近くのデータ処理用の高性能PCを動かして私をスキャンした。
「対象物をオブジェクトファイルとして保存します。そのため、対象物を切り刻んでDNA化させます。意識の変換まであと少しです……準備が完了しました。記憶や意識のファイルとカラダのデータを仮想空間上にアップロードします」
無機質な話し声が終わった後、私の仮のカラダは木っ端微塵となり、目が覚めたら見慣れた仮想空間上だった
メモアプリが起動される
"出来事などは、こちらで案内します。友里さんは、アカウントをBAN(切り刻む)してください。その他の異常があればご自身で解決してください"
さっきまでイケメンだった蒼空くんが一瞬にして崩れ落ちた
手をかざすと大きなピコピコハンマーのような武器が表れた
女性のアカウントにナンパしているキモキモ男性アカウントをハンマーで殴る。
すると、その男性アカウントはピクセル化したかと思えば、一瞬にして文字化けして消えていった
これまでは人間だったから、相手はSNSでもよく見るアカウントだったけれども、今は相手が3D立ち絵のように見えている。
再びメモアプリが開かれる。
「只今、フィードバックが来ました! ウイルスをばら蒔いているアカウントがあり、消して欲しいとのことです!」
だが、近くにはそのようなアカウントは見当たらない
辺りを見回すと、上に島のような物が浮いていることに気がついた
ハンマーとジャンプモーションを使って島に上がった
「/11/@16gtqWpjt7pupt,?jpmp'tgU」
全くよく分からない文字列が並び、周りのアカウントを吸収し、体の複数部がバグ化しているアカウントが宙に浮いていた
文字列にイライラしてハンマーでそいつを叩いた
すると、ハンマーが文字化けし、消えていってしまった
再び手をかざすが、何も出てこない
コメント欄に蒼空くんに向けたSOSを書く
すると、蒼空くんはペイントアプリを起動し、長い太刀を描いてマウスで私の前に落とした。
私はそれを拾う。
何度攻撃したってハンマーと同じ状態になってしまうと考え、バーにあったウイルス対策ソフトを刀にダウンロードしてそのバグったアカウントを突き刺す。
すると、複数のアカウントに分裂したかと思えば、そのアカウントがゾンビの様に動き始めた。
太刀で切っても、ゾンビはいつまでも斬った場所から複製されていくのを見て、私は頭を抱えた。
その時、ある案が生まれた。
さっきやったように、何かのアプリと武器を合成すれば対策として相応しいものにする。
よって、ウイルスには血清が1番だと考えて蒼空くんの描いた注射器にウイルス対策ソフトを突き刺して吸い出した。
そしてそれぞれのアカウントにバスター血清を打った
すると、アカウント達は倒れ、段々と顔色が元に戻っていく
蒼空くんがまたメモアプリを起動する
「そんな感じで次もよろしくお願いしますね(*^^*)」
それにムカついて再び表れたハンマーでそれを叩いた
!!「それってただの仕事押し付けじゃないですか??」!!
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