ヒーローと巫女さん 第七話:紫みたいな胡散臭さ

8 2026/05/23 12:36

あの後も、着々と会話に参加する人が増えていって、ついに全員での入学の打ち上げ決定会が開催されたり、男子が暴走したり、バスガス爆発しかけたり、窓が焼けたり溶けたり色々、などなど、等々。レクリエーションもしたり、まぁ、なんやかんやあって、気づけば目的地だった。

バスが止まる時に鳴るあのプシューという音と共に、バスが入試会場だった場所で止まる。飯田の先導で、スムーズに会場前の広い道に整列した。

「時間が惜しいので、内容は俺が雑に纏めといた。」

教師用のファイルから、プリントが配られる。

《"ヒーローに関する体力、知能、精神の実戦実力検査"

【1.被験者は何チームかに分かれ、相手に手で触れられた場合、その瞬間から"捕獲"となる試験(ゲーム)を40分間行う。】

【2.捕獲された場合、その場から"捕獲されていない味方"に、手で触れられるまで、自ら動いてはいけない。また、その状態で相手に、手で触れても、相手を捕獲したことにはならない。】

【3.チームを決めたあと、個性を"使えない人物"を1人以上、決定しなければならならない。また、常時発動型の個性はなるべくその個性を抑えるものとする。】

【4.個性が"使える人物"が1人でも捕獲さられた場合、そのチームは即刻、脱落とする。同様に、"個性を使えない人物以外"が全員捕獲された場合もそのチームは即刻、脱落とする。脱落した場合ペナルティはチーム全体の"捕獲状態"の永続とする。】

【5.ルール違反者、妨害者及びヒーローに相応しくない行動をしたものは、連帯責任で"脱落"とする】

以上5つのルールをもって試験を執り行う

責任者:相澤消太及び根津》

同じ内容を相澤が読み上げる。

「「「ドロケイ(ケイドロ)じゃねぇか!!!」」」

そんなツッコミは気にせず相澤は続ける。

「次に裏を見てくれ、自己紹介で知っているだろうが、こんな検査をするんだクラスメイトの個性と名前くらい必要だろ?」

確かに自己紹介で、みんな個性の紹介はした(内容はアニメの説明とかとほぼ同じと思ってくれれば)なので、あまり意味はないが、そのプリントの裏には生徒のそれぞれの名前、顔写真、個性の簡単な説明などが書かれていた。

「プリントについてこちらからは、それだけだ。何か質問はあるか?」

5人程度が手を挙げる。相澤はそこから雑に一番近い飯田を指名する。

「相澤先生、捕獲の場合、なかなか判別に困ることもあると思うのですが、その場合、どう判別するのですか?」

「体操服に色々仕込んである。爆豪と博麗のような無駄な言い争いにはならない。例えば」

相澤が飯田の袖に触る。そうするとすぐに赤く袖が光った。

「こんな感じで、体操服に触った時しか反応しない、これなら、客観的に判断できるだろ?一応言っとくが、捕獲者以外は光らんぞ」

周りからはハイテク〜など、そんな言葉が飛び交っているが、相澤はリモコンか何かで操作して、飯田の袖の色を元に戻し、次の質問に移る。相澤は飯田の次に近い生徒、八百万百を指名する。

「先生、ヒーローに相応しくない行動の判定基準は何を元に決めてるんですの?」

「ああ、俺の独断と偏見だ。具体的には"余程の度が過ぎる発言"、"過度な傷害"まぁ、ヒーローが社会的にまずいことならってところだ。もちろん新入生だからといって多めに見るつもりはない。

他に質問がある奴はいるか?」

「んじゃ、私が」

霊夢は挙手しながら発言する。

「1人でチームと言い張るのは?」

「・・・面白い質問だな。だが、チームが原則だ。だから少なくとも誰か1人と組まなきゃならん」

率先的なリーダー格が3人手を挙げ、ほかの2人も含めもう誰も手を挙げ無い。

そして相澤の口角が上がる。

「・・・ああ、あと言い忘れていたんだがあまり成績が揮わない者を除籍処分者にしようと思っている」

辺りが急に騒ぎ、生徒たちは慌てて反論を投げつけるが、相澤は馬耳東風と全く気にしてい無いどころか

「そういう"理不尽なピンチを覆していく、それがヒーロー" プルスウルトラさ。全力で乗り越えて来てみろ!!」

と一蹴した。そして

「まぁ、すぐに始めるのもなんだ。5分、時間をやろう。どいつとチームを組むか、どう戦うか考えとけ。」

ざわめきが残るが、みんな各々除籍になるまいと、個性が強そうな者、頭が良さそうな者、組んだら勝てそうな者を見極めんと必死である。しかし、霊夢は少し違うベクトルで思考を進める。

(チームを組むなら爆豪は論外、飯田は個性発動時の音も大きそうだから除外。男子はやはり除外した方が、コミュニケーションがとりやすいかな? そうなると、私になにか気がある生徒が良い....)

と考えてると。霊夢は60分程前、"教室にはいってきた時に、ほんの一瞬だけ見てきた女子"がいた事を思い出した。そういえば、会話の輪には入ってたけど、そいつとあんまり喋ってないな、と思いながら、シュバッと、盗られないように、高速でその女子の元に向かう。

「改めて、私は博麗霊夢、よろしく!一緒に組みましょ? 」

「!・・・改めて、ウチは耳郎響香、よろしく!」

急ぎすぎたのか少し惹かれたが、意外と響香は霊夢に対して好感があったので、あっさりと了承してくれた。2人は会話を聞かれないように周りから遠ざかりながら、会話する。

「こういうのって何を話したらいいんだろ。まぁ、とりあえず、私があんたを選んだ理由とか言ったほうが良い?」

「体型とか?」

少し食い気味で響香が答える。

「・・・? まぁ、趣味が音楽とか言ってたし気が合いそうだなって、あと教室に入った時ガン見してきたし」

「・・・あれは、体型が────、んんっ、ゴホンゴホン。

やめとこ、虚しい。とりあえず、一緒に頑張ろうね!」

半ば強引である。だが霊夢と響香は似た者同士なのは事実。一学期の初めに、話しやすい人が出来たのは、霊夢も響香も嬉しい。そんな茶番は置いといてこの霊夢はこのゲームについての戦略を周りに聞こえないように小声でヒソヒソと話す。

「お願いがあるんだけどこの2人だけでチームってことにしてくれない?」

「少なくない!? ウチと霊夢以外で2人のとこあっち見てもいないよ?」

「先生は"理不尽なピンチを覆していく、それがヒーロー"って言ってたわよね?」

「うん。そのせいで大変なことに...」

「で、ルール4の裁定は先生の独断と偏見。明らかに先生のご機嫌とったもん勝ちゲームじゃない?」

「確かに...?」

「そこで、どうやって脱落者を決めると先生は言っていたか。それが重要になるわ」

「・・・えっと、ちゃんと覚えてるかわからないけど、『成績が揮わない者』だったような─────

あっ、ゲームのルールに一切、成績のことが書いてないし、先生も、何を成績にするのか言ってない!」

「正解! そしてこの検査の名前は『ヒーローに関する体力、知能、精神の実戦実力検査』名前の通り、それを測る」

「ってことは、ゲームで、一定以上の"成績"を取れば良いと....」

なかなか、飛躍している論理かもしれないが、何も考えないよりかは良い。

霊夢はその話をして響香がなんだか悲しそうな顔になっていることと少し酷いことを言ってしまったことに気づく。

「やっぱり辛い?」

「霊夢は大丈夫なのか分からないけど、ウチはやっぱり、このクラスのメンバーにはまだ会ってそれ程、経ってないけど。誰か1人でも欠けたら...なんか...」

霊夢は優しい笑みを浮かべて返す。

「大丈夫、2人で全員欠けさせないようにするのよ。その為に響香と組んだんだから。あと、"このゲームは脱落させ合うゲームじゃない"それに気づいている人も、もういるんじゃないかな。で、そのための作戦だけd───────ピィィィィィィッッッ

その時、ホイッスルの甲高い音が響き、響香の「違うの?」という問いと、霊夢の説明が途切れた。そして、相澤が

「そこまで、各チーム俺の前に整列しろ」

飯田がまたもや先導して並ばせる。

「余りもいない。これで良いな?」

相澤は、学校から即帰宅するような帰宅部のごとく、そんなスピードでスマホのカメラを使い、勝手に全員の集合写真を撮る。

「始まる前に個性を使わない者は各自、カメラの前で挙手しといてくれ。他チームに見られたら自己責任だ。見ようとしたら反則だ。ということで1分後スタート。60 59 58 」

「「「「えええっ─────────」」」」

そう驚愕したものの開始の合図が入試のそれと同じだった為、意外と皆すんなりと会場にそれぞれ散った。解散する中で、霊夢は焦る

(こっちはまだ、準備中なのよ⁉︎ 個性に関しても何も相談してないし、5分って意外と短いわねー。って!? そんな場合じゃなくて作戦の推敲と、伝達の為の要約を...)

霊夢はそう思いながら、入試会場(今回のゲームの場)に入場すると、入試の時にはなかったスピーカーつき監視カメラがはちゃめちゃに置いてあり、これに向かって挙手することなんだろうと思い、ルール違反もこれ判別するのだろうと認識した。霊夢、響香チームは1分の準備期間。最初に狭い路地に入り、他生徒の監視をまこうと、人目のつかなさそうな、会場を囲む壁の近く、建物同士の隙間に逃げ込む。「流石に、巻いたでしょ、ごめんなさいねこんな走らせちゃって」

「はぁ...はぁ...全力疾走は、キツイって...」

「もう始まっちゃったけど、これから戦略全部話すから、3回くらい聞けば、全部覚えられる?」

「大丈夫! !1回で十分!!あと、さっき言ってた"脱落させ合うゲームじゃない"ことについても...」

「ああ、それもね。じゃぁ、最初に───────────────────────────────────────────────────────────

1人寂しく残った相澤は、広いところからバス内へと移動して、さっきの写真と、"体操服に仕込んだ盗聴器"(法律は大丈夫なのだろうか...)でAIと共に、色々とまとめていた。

〈1. 耳郎響香、博麗霊夢チーム:個性を使える人物、?

2.飯田天哉、緑谷出久、麗日お茶子: 〃 ?

3.切島鋭児郎、爆豪勝己、峰田実、上鳴電気: 〃 ?

4. 蛙吹梅雨、芦戸三奈、葉隠透、八百万百: 〃 ?

5.青山優雅、尾白猿夫、口田甲司、砂藤力道、障子目蔵、瀬呂範太、常闇踏陰、轟焦凍: 〃 ?〉

バスの後方が、唐突に巨大なディスプレイへと切り替り、そこにはもれなく全てのチームが映っていた。相澤は、未だ残っているバスの運転手に向かって

「バスの運転手さん。プライバシーの問題で心配なら降車する事をお勧めします。まぁ、大丈夫だと思いますが...」

「お気遣いありがとうございます。そういう問題は特にそういう犯罪が絶えませんから... 近くのベンチにでも座ってコーヒーでも飲んでおきますね。」

「お気遣い感謝します。」

相澤は運転手を見て軽く会釈しながら降車を見送る。その後、ディスプレイに再び目を移した。どうやら運転手と話している間に、生徒達が個性を使わない者を決めたようだ。その映像が映し出され、機械的処理により、そのディスプレイの端の方に名前の一覧表が表示される。相澤はそれを見て、ぽちぽちと入力しながら、時計を確認すると、生徒に与えた60秒があと4秒にまで迫っていた。そろそろかと、マイクをONにして伝達する。

「 3 2 1 スタート」

ゲームが始まった。

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タグ: ヒーロー 巫女さん 七話:紫みたい

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その他2026/05/23 12:36:50 [通報] [非表示] フォローする
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長い長い一話を作っちゃったので、話がまとまるよう編集しながら投稿してる感じです


2: モブ王 @plotzuki15 2026/05/23 18:50:04通報 非表示

>>1
原作にない試験を考えるのすごいね


>>2
二次創作は二次創作をやってこそ二次創作的な?


4: モブ王 @plotzuki15 2026/05/24 15:20:44通報 非表示

>>3
いや普通にすごい


>>4
個人的には、ある程度元ネタありきの二次創作二次創作だから、オリジナルの小説とかを書いてる方がすごいよ


6: モブ王 @plotzuki15 2026/05/24 15:27:52通報 非表示

>>5
けどやっぱり誰かの影響を受けてるもんだよ


>>6
せやな、これが巨人の肩になる矮人ってやつか

小説も上手くならなきゃなぁ


9: モブ王 @plotzuki15 2026/05/24 15:32:40通報 非表示

>>7
熱心だね


>>9
誰かの使ったネタに共感できるように、知識のアンテナはいつでも広げておきたいんだ


>>6
頑張ろうぜ


10: モブ王 @plotzuki15 2026/05/24 15:33:11通報 非表示

>>8
うんお互い


>>10
いえすいえす


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