ようこそ我らが財団へ
「君の兄が戻るまで、ここにいさせてもらえないか? 彼女に関わった民間人には全員にインタビューを行わねばならない」
男がそう告げたのを、ミヤがぼんやり聞いていた。疲れて頭が働かない。突然少女を管理していた組織を名乗る男が現れて銃を突きつけられ、そして感謝された。わけがわからない。
「混乱しているだろうがまずは自己紹介させてくれ、私はジャックブライト。scp財団の研究者だ。」
「scp財団?」
「簡単に言えば彼女のような不思議な存在を保護する組織だよ、まあ監禁に近いがね」
「この子はどんな扱いを受けていたんですか?」
怖かったが聞かないわけにはいかない、彼らがどのようなことをしているのか知らずに信用することはできない。
「薬剤を投与し、昏睡状態での管理が行われていた。彼女は思い描いたことを全て実現する力を持っていると推測されるからね」
「酷い」
仕方がないのかもしれないが、そう言わずにはいられなかった。ミヤが見てきたこの子は普通の女の子だっだからだ。
「ああ、明らかに人道に反している。だが我々も最初からそのように対応したわけではない。初めはこの子に君は魔女だと教え、能力の使用を限定させる対応をとっていた。だが今思えば我々はその時から間違っていたのだろう、この子に必要なのは魔法を教える先生ではなく、君のような家族だ。」
ブライトは静かにそう言った。
「残念だよ、大量虐殺を引きこおす人型の化け物を収容する技術を持つというのに、子供の親代わりにもなれない」
「この人の言葉は本心だ」とミヤは思った。わかるのだいじめを受け、人の目を見続けたから。
「さて、さっき私はやめにすると言ったがこのまま帰るわけにはいかない。君たちには財団に来てもらいたい。」
「財団に?!」
「まあ、その話は後にしよう。少し電話をさせてくれ。
ブライトはそういうと誰かに電話をかけた。
「もしもし、管理官?私だ、ブライトだ。おいおいちょっと待ってくれ。さっき289を見つけたんだ。民間人に保護されていた、落ち着け、彼女たちは無事だ。五体満足だよ。それどころかすごく懐かれてる。嘘じゃない、コレを聞くんだ。」
ブライトがボイスレコーダーを取り出し、先ほどの音声を流す。
「ほら、お姉ちゃんだそうだ、289の状態はとても安定してる。そこでた、彼らをEクラスとして雇用したい。前例がない?バカ言うんじゃない 289は財団を恐れてる、世界終焉シナリオ回避のためにも、コレが最も適切だ。評議会も文句は言わないさ、頼んだよ。」
ガララ
「その人、誰?」
「やあ、お兄ちゃん。」
ユイトは、夢でも見ているようだった。目の前の男の話が現実とはとても思えない。
「まあ、そういうわけで、人類を守るために協力してくれたまえ。大丈夫だ。君たちはコレまで通り289と一緒に過ごしてくれるだけでいいい。住居も食事も財団が準備する」
「いやそんなこと言われても」
ユイトが困惑しているとミヤがきっぱり言った。
「ボクは行きます。この子は家族だから。」
ミヤの目マジだ ユイトは思った。妹が覚悟を決めているのに兄がウジウジするわけにはいかない。それに約束したのだ。絶対に置いていかないと。
俺も行きます、約束ですから。」
「いいねー それじゃあ二人とも、ようこそ我らが財団へ!」
続く
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