わざと題名変えたよ、イケカジね!
なんかどれで投稿すればいいかわかんなかったw念のため限定にしたよ
イケカジなぼくら①〜お弁当コンテスをを攻略せよ☆
「よっし、ごはん!」
ポーチ片手に、リビングに駆け込む。
「おはよう、パパ!」
「アオイ、おはようーーー」
カウンターキッチンの中にいるパパが、あたしの顔を見るなり、こまったような顔になる。
「あのね、アオイ。学校行くのに、お化粧することなんてーーーーー」
「リップだけだよ。校則違反でもないし。」
「そんなことしなくても、アオイは充分、かわいいよ」
「もうっ、パパは全然わかってないっ!可愛いって思って、あぐらかいたら、それ以上可愛くなれないんだよ!?すてきな女の子になるためには、努力あるのみなんだからっ!」
「それは毎日聞いてるけど…」
ぶつぶつ言ってるパパを無視して、あたしは席につく。
目の前には、パパが作ってくれた目玉焼きとサラダが並べられている。
「いっただっきまーす!」
さぁ、食べようと思った瞬間。
「ちょっと待った、アオイ」
………って。なによお、パパ。
「食べる前に、聞いて。アオイ、それ、どういうことなのかな。」
と、テーブルに置かれた雑誌を見るパパ。
うっ……。
「パパは、中学生の間は、モデルはあきらめなさいって言ったよね?」
優しい口調だけど、これについては、パパは絶対、ゆずってくれない。
ティーンズ向けのファッション雑誌。
「読者のおしゃれスナップ」って特集の中にちょっと大きく写っているのは、あたしだ。
「だって、友達が、勝手に写真を送ったんだもん。しょうがない、でしょ?」
これは本当。
親友の小夜が、うまく撮れたあたしのスナップ写真を、雑誌に投稿したのだ。
「う、うーん……」
パパは言葉を失って、あたしの前に座った。
おあずけになってた朝食を食べ始めたあたしをみて、パパはため息をつく。
「………ママに似てきたね。」
「あたりまえでしょ、ママの子だもん。」
「まぁ、そうなんだけど」
そう言って、パパはあたしをじっと見る。
「なに?」
「何度も言うようだけど、パパは、アオイがモデルになるのは反対だよ。」
耳タコの言葉だ。
小6の時、ティーンズファッション誌の読者モデル募集に応募したんだけど。
パパが、「子供のうちから仕事をするなんて、絶対だめ」って反対するから、あきらめたんだ。
最終選考に残ってたから、夢のドアが開くまで、あとちょっとだったんだけどね。
「ファッション業界は華やかだけど、怖いところもたくさんあるんだよ。それに、ママが、モデルだったからって、アオイまでなることはないんだからね。」
返す言葉がない。
でもさ、あたし、ママに言われたの。
ステキな女の子になってね、って。
それって、ママみたいな女性のことじゃないの?
そう思うんだけど、パパには言えない。
だって、あたしのママ、もういないから。
昔ーーーーー交差点であたしと一緒にいたママは、わき見運転のトラックが突っ込んできたとき、あたしをかばってひかれたんだ。
あたしを抱きしめたまま、ママは永遠の眠りについてしまった。
だから、あたしが覚えてるのって、すっごく小さい時に言われたこと。
そんなのパパは信じてくれないだろうし、言ってもこまらせるだけだから言わない。
あたしのパパは、ママがいなくなった後、あたしを大事に育ててくれた。
過保護なくらい、大事に。
あたしがさびしくないよう、残業の少ないお仕事に変えてくれて。
そんなパパの気持ちが痛いほどわかるから、読者モデルになることは、とりあえず保留。
「分かってるって。今すぐモデルになろうと思ってないから、安心してよ。」
あくまで、今すぐ。
もう少し大人になったら……パパがあたしを一人前だって、認めてくれたら……ちゃんと言うんだ。
ママみたいになりたい。
ママみたいなモデルになりたい、って。
「あのね、アオイ。絶対にモデルになるのは禁止って言ってるわけじゃないよ。そうじゃなくてーーーーーー」
「学生のうちは、学業に専念しなさい、っていうんでしょ?」
「ま、それもあるけど……学校生活を楽しむのは、今しかないんだからーーーーー」
「分かってるよ。って、もうこんな時間!行ってきまーす!」