明日になくなる甘い世界〜1〜
ここは街の一角のパティスリー。このパティスリーのショーケースに入っているスイーツたちは、もうすぐ自分は食べられると覚悟していた。
「そのフルーツタルトくださ〜い」
「はいよ」
昨日は「やった!スイーツとして生まれ変われた!」と笑っていたタルトのマスカットが箱に詰められていく。
代わりはいる。パティシエさんが作ればいくらでもスイーツは作れる。でも、同じフルーツや素材は一つしかないのだ。そこが切ない。
ここのパティスリーは人気だ。お客さんがどんどん入ってきて、
「これください」
「はいよ」
「これとこれがいい!」
「これかな?」
そんな声が聞こえてくる。僕たちにとっては憂鬱だ。
お昼の休憩時間になり、パティシエさんが厨房に戻っていった。秋の新作の下拵えをするようだ。
僕も食べられちゃうのかな、、、
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