ELGAMA #28 アリゴ編 #7

4 2022/01/15 11:23

長い廊下を歩き切ると、見覚えのある入り口付近に来た。

 この前ミアと二人で来た場所だ。

「エリント、二人の様子はどうだ?」

「無事だ。レイスは完治した。」

「そうか、それは良かった。」

フェルグが嬉しそうに言った。

「でも、そもそもエリントが怒らなかったら怪我をしなくて済んだんだよ?」

「ハッ、ごもっともだな。」

エリントはそう答えて椅子に座った。

「フェルグ、コーヒーでも出してくれないか。」

「分かってる。今淹れてるところだ。」

奥からフェルグの声が聞こえた。

「そういえば、エリント、ここの番人はどんなやつなの?」

「ん?アリゴか?そうだなー。ええとな、なんか、亡霊みたいなやつだな。」

「亡霊って具体的にどんなの?」

「えっと……あれ、あの、こんなデーンとした剣を持ってて、話し方は変。そんで顔はドラゴンみたいで、二つ。」

エリントの口から、まったく想像することができない特徴を言われた。

「……? そうか。」

 すると、フェルグがコーヒーを入れたカップを持って歩いてきた。

「サンキュー、フェルグ。」

エリントはコーヒーが届くなり飲み始めた。

「ぷはー、うんめえ。」

「フェルグさん、ミアの完治っていつになるんですか?」

「大丈夫だ、翌朝には治る。」

「そうですか。」

翌朝にはまた戦わなければいけない。

 ろくに敵を倒した事もないため、不安が募る。

「フェルグ、今日泊めてくれないか?」

「勿論そのつもりだ。戦いの前に野宿はごめんだろう?」

「ナイス!じゃレイス、あんまり意味はないと思うが、寝る場所でも決めておくか。」

エリントの言う通りだ、寝る部屋は決まっている為、あくまでも決めれるのは3つのベッドのどこで寝るかのみだ。

 寝る部屋はミアがいる部屋だ。

フェルグになぜここなのか聞いたところ、単純な理由だった。(え?仲間3人で寝る方が楽しいだろう?)

部屋の入り口から見て、一番左にミアが、エリントは一番右、そして真ん中にレイスが寝ることになった。

「俺、ミアにわりいから一番右で寝ることにする。」

場所を決める際にエリントは真っ先に言った。

「え?あのことならもう気にしてなくていいのに。」

 ミアが不思議そうに聞くと、エリントは恥ずかしそうに顔を赤くし、言った。

「お、俺、イビキがうるせえからさ…」

実にエリントらしくない理由であった。

次話↓

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