【小説】BTSと私 第5話 〜全てのARMYとONCEのために〜
BTS題材の小説を書いています
ときどき他のBTSメンバーやTWICEメンバー、BLACKPINKメンバーも出演します
ぜひ読んでみてね
〈登場人物〉
・私・ユンギ・ジン・ナムジュン・ホソク・ジョングク・テヒョン・サナ・ミナ・ナヨン・ジヒョ・チェヨン・ダヒョン・ジョンヨン・モモ・ツウィ・リサ・ロゼ・ジス・ジェニ
〈本編〉
先頭にホソク、そして私の後ろにジョングクとジミンが並んで、三人はBTS行きつけのカフェに向かった。
「もうすぐですから」
ホソクが言った。なんだか暗くてひとけがない。寂しいところだ。でもアイドルはスタバには行けないからね。
「あ、ここです、ここ」
ホソクがおんぼろの古民家の前で止まった。ジミンが私を見て心配そうに言った。
「あのぅ・・・ここ嫌ですか?嫌だったら、もうひとちゅあるから、そこ行きましょか?」
「ううん、いいよいいよ。こういうとこは案外美味しいものが出てくるものだし」
三人は私の日本語が早口すぎて聞き取れなかったはずだが「おんおん」とうなずいた。
「じゃおじゃましま~す」
ホソクが元気よく言って店内に入った。
すると・・・
「아, 대단한 우연!!(あ、すごい偶然!!)」
花のかおりがふわっとする。たたっと誰かが駆け寄ってきた。2,3人いる。女性のようだ。まずい、BTSメンバーだってバレたのかな。
「안녕하세요(こんにちは)」
ホソクは急に大人びた声で言った。ジョングクとジミンは後ろで凍りついている。女性たちは私を見た。
「안녕(こんにちは)」
私は呆然とした。
だ・・・だってそれは!!
あのTWICEメンバーの、サナ・ナヨン・チェヨン・モモだったから!!後ろの方の席にはジョンヨンとジヒョを除く全員のメンバーが揃って私達を見ている。暗い店内には一つ照明がついているだけなのに、彼女たちがいるだけでぱっと光り輝くようだ。
「あ・・・あの・・・」
私がオロオロして振り返ると、ジョングクはTWICEメンバーの視線を避けるように、床をじっと見つめて固まっていた。ジミンも気まずそうにそっぽを向いている。
なんか、怪しい・・・
「우리는 방해하고 싶지 않기 때문에 다른 가게에 간다.(僕達、邪魔したくないので他の店行きますよ)」
ホソクが明るく言った。
「그 아이 누구?(その子誰?)」
ナヨンが私を見て興味津々で聞いた。私はうつむいた。
「아, 우리 친구.(僕らの友達)」ホソクがさらりと言った。メンバーたちはびっくりしたように私を見た。私は赤くなった。きっと、私みたいな冴えない女がなんでBTSメンバーと・・・って思ってるんだろうな。
「우리도 친구가 되고 싶어요. 함께 와줘. 좌석이 있어요.(私達もお友達になりたいわ。一緒に来てよ。席は空いてるわよ)」
サナが首を傾げて上目遣いで言った。皆が頷く。ツウィが「おともだちぃ」と言った。私の後ろでジョングクがぴくりと動いた。
「え、でも・・・」
「あなた日本人ね?」
急に、ミナが静かに言った。
「は、はい」
「えマジで?嬉しいー。うちとね、ミナ、サナは日本人なんだ。てかうちらのこと知ってる?」
モモが笑って聞いてきた。
「はい!!もちろんです。TWICE大好きです。夢みたいです、ほんとに」
嘘じゃない。
「ありがとう」
ミナがにっこり笑った。う、美しい・・・。私はあまりの美しさに呆然とした。サナは「ありがとうね」モモは「嬉しい」と言ってくれた。本当にいい人たち。性格も顔もスタイルも、ダンスも歌も上手で、なんて完璧なんだろう。
「이봐, 그녀는 뭐라고 했니?(ね、彼女なんて言ったの?)」
いつの間にか席に戻っていたナヨンやがサナに聞いた。サナが韓国語で伝えると、ナヨン、ダヒョン、チェヨン、ツウィはきゃあっと言った。
「カムサハムニダあ~」
ニッコリしてくる。私はただ頭を下げるしかない。
「ね、ここ座ってよぉ」
サナが隣の席の椅子をひいた。私はホソクたちを振り返った。
どきりとした。
3人とも、とても怖い顔だったから。
「あの、どうすればいいの?お、オットケ・・・」
慌ててホソクが微笑んだ。
「僕たち別のぉ店に行ってますから」
そう言って、石のように固まったままのジョングクとジミンを店から追い出す。チリンチリン。出ていった。私はちょっと心配になった。TWICEのみんなにもそれがわかったみたいだった。
「ほら、座って」
ミナが優しく言ってくれた。私が座ると、みんな興味津々でテーブルに身を乗り出した。
「이봐, 조금 전의 그들의 태도는 이상하다고 생각하지 않습니까?(さっきの彼らの態度変だと思わなかった?)」
「호석은 아직 좋지만(ホソクはまだマシだけどね)」
「뒤의 두 사람, 우리를 본 순간 쓸데없이 굳어졌고.(後ろの二人、私達を見た途端固まったし)」
「사나, 무슨 일이야?(サナ、何かしたの?)」
「그래, 나?(ええ、あたし?)」
「다현과 쯔위도 수상하지만,(ダヒョンとツウィも怪しい)」
「그래, 나?(ええ、あたし?)」
「기다려! !(待って!!)」
ナヨンがきっぱりと言った。呆然としている私を見て、
「모두, 이 아이와 친구가 되고 싶어요. 그럼 이 아이에 맞지 않으면.(みんなこの子とお友達になりたいんでしょう、だったらこの子に合わせないと)」
「그렇다.(そうだった)」
「ごめんなさい」
ツウィとチェヨンがぺこりと小さい頭を下げた。私は「いやいやいや」と手を振った。なんだかちょっぴり惨めだ。
「ごめんね。じゃあさ、あなたのこと教えてよ」
ミナがミルクカフェオレを飲みながら言った。
「いや、その前に飲み物頼まなあかんでしょ」
サナが言った。
「すいませーん」
モモが怒鳴った。
「ミルクカフェオレ・・・でいいよね?・・・うん、ミルクカフェオレひとぉつ」
「は?」
奥からおばさんが出てきた。日本語がわからないらしい。モモが笑いながら韓国語で言うと、台所に戻って行った。
「じゃ、自己紹介どうぞ!!」
サナが可愛く言った。
「ええと、、、はい。私、○○と言います。日本人です。22歳、です」
「なんで韓国来たの?」
モモがストローを噛みながら聞いた。みんな興味津々だ。
「えっと、その。実は私、BTSメンバーと付き合ってて、、、」
「えええええええええ!!!!!!」
ミサモが立ち上がって大声を上げた。日本語わからないメンバーはぽかんとしている。
「BTS 멤버와 사귀고 있어(BTSメンバーと付き合ってるんだって)」
「어ーーーーーー!!!!(えーーーーー!!!!)」
「え、だれだれ?誰と付き合ってんの?」
「何年ぐらい付き合ってんの?」
私はたじろいだ。ツウィはこわばった表情でテーブルを睨んでるし、ナヨンともサナとダヒョンは興奮してるし、ミナとチェヨンが抑えてくれたからよかったが、私はすっかり縮こまってしまった。
そうだよね、BTSとTWICEの関係なんてカップル以外の何物でもないよね。不快になったかなあ、ごめんなさい・・・
「落ち着いて落ち着いて」
「조용히(静かにして)」
「で、誰なの?」
サナがウズウズして聞いた。
「・・・ユンギです」
私がつぶやくと、ふうーっとみんなため息を付いた。なんとも言えない表情をしている。感情を消してるな、これは。一体何を考えてるんだ。
「ユンギか。かっこいいよね。結構年の差あるのね」
ミナが言った。
「ユンギと一緒に住むために来たんだね!!」サナが言った。
「そうなんです。でもまだ私韓国語できないし、慣れないから心配で・・・」
ミナが通訳してくれている。
「タイヘンですね」
ツウィが言った。表情はすっかり和らいでいる。
「でも大丈夫よ。うちらもう友達だから。困ったことがあればなんでも言って」
「そうそう。お互い助け合わなくちゃ。いずれこの中の何人かが――」
TWICEメンバーは目配せし合った。
「BTSメンバーの妻になるんだから」
「は?」
私は思わず間抜けな声を出した。
「今、なんて・・・」
「だからね、今わたしたち、競争してるの」
サナが焦れったそうに言った。
「誰が一番早くBTSメンバーと結婚するか」
メンバーはみんなどっと笑った。私が何がおかしいのかとミナに聞くと、ミナは言った。
「なぜかというとね、わたしたちの中の誰も、まだBTSメンバーと付き合ってもいないからよ」
え・・・
ええええええええ!!!!!!
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こんにちは。BTSを題材に小説書いてます。
全てのARMYそしてONCEのために!!
よかったら読んでみてね!!
【小説】BTSと私 第6話