【小説】BTSと私 第9話
BTSについての小説を書かせていただこうと思います
ときどき他のBTSメンバーやTWICEメンバーも出演します(BLACK PINKメンバーも出演させる予定でしたが、話がややこしくなるといけないので、やめました)
ぜひ読んでみてね!
〈登場人物〉
・私(○○)・ユンギ・ジン・ナムジュン・ホソク・ジョングク・テヒョン・サナ・ミナ・ナヨン・ジヒョ・チェヨン・ダヒョン・ジョンヨン・モモ・ツウィ
〈本編〉
「どこに行こうかな・・・」
マンションを出てから一時間。テヒョンももう帰っただろう。ユンギは私のことを探してるかも。一応、ラインで「さよなら」とは送ったけど、既読ついてるかどうか確かめるのが怖い。
寒く、暗い道を、ひたすらキャリーバッグを引きずっていると、突然後ろから背中をたたかれた。
「きゃっ」
ぎょっとして振り向くと、そこにはひとりの女性が立っていた。大きなサングラスを外すと、綺麗な目があらわれる。ミナだった。
「あっ・・・」
「こんな時間に、コートも着ずに何してるの?」ミナが腕を組んで私をじろじろ見た。私はもじもじした。
「実は、その」
「そういえば昼に、彼氏とケンカしたとか、言ってたわね。もしかして、家出?」
「はい・・・い、いいえ!ユンギは悪くないんです。私、このままユンギに頼って生きていくのが嫌なんです。それに私がいたら、ユンギはきっと迷惑なんです」
私の目から涙がこぼれた。
「私気づいたんです・・・ユンギは私のこと愛してないって。いつも素っ気ないのも、クールだからだって思ってたけど、違うんです。ユンギは、もう、、、私のこと、、、」
私はすすり泣いた。すると、方にそっと温かいものを感じた。ミナが私をやさしく抱きしめた。
「寒いでしょ。私の家に来なさいよ。ゆっくり話聞いてあげるから。行くところがないんでしょう?」
「・・・はい」
「おいでよ」
ミナは、手を伸ばして、頬の涙をぬぐってくれた。ひんやり柔らかい手だった。
20分後。タクシーでミナの家に着いた。高級住宅街の中に、ひっそり佇む綺麗な一軒家だ。
「・・・おじゃまします」
「どうぞ」ミナはにっこり笑った。私は玄関で靴を脱ぐと、ミナが出してくれたスリッパを履いて、リビングに入った。廊下には玉すだれがかかり、ミナの家族の写真が飾ってあった。
「今エアコンつけるから。そこに荷物置いたら手、洗ってきてね」
「はい」
私が手を洗って戻ってくると、部屋は暖かくなっていた。ミナはキッチンでココアを温めている。私は緊張した。
「はい」
「ありがとう」
ココアがあったかい。
私はふとリビングのカウンターの上に置かれた写真を見た。
私ははっと息をのんだ。
その写真に写っていたのは、ミナと一人の男の人だった。東京スカイツリーの前で手を繋いで、ふたりとも幸せそうに笑っている。
私は男の人のことをじっと見つめた。
私はこれがだれか知っている、と思った。
〈続く〉
BTSと私 第10話