恋はお菓子の味《第一話》【小説】

2 2022/06/28 06:52

「ふわぁ...眠い…。」

そう口を開いた彼女の名は星宮夜。受験勉強に励む五年生…だと思いますわ。

今は学校の休み時間。鉛筆を右手に握り、弱々しい文字を書き連ねる。よくよく見ると新聞を書いている。

机に貼ってあるメモを見ると、新聞の期限は今日までらしい…。期限ぎりぎりの彼女でも副委員長。新聞を専門的に書く忘れ去られた委員会は一つしか無い…広報委員会。

給食委員会と共に最も忘れ去られる委員会の一つである。

「……わぁ?」

鉛筆を机に置き、新聞は書き終わったようである。わちゃわちゃと戯言が聞こえるクラス全体を見渡す。

男子を取り囲んでいる女子たちがわーきゃー...うーん...。これだから”ナンパ”ンマンと言われるのか…あいつは。

取り囲まれている中心にいる男子。その名は秋山空憑。自称物知り博士新井陽之によると美男らしい。闇を抱える人物。まぁ彼は月浦美桜が好きな訳だが儚き片想い。

で、綿美帆夏って言う人が秋山が好きな訳で…?ある意味な三角関係になって居るわけで…。

「……で。石恋さんが『え?秋山さん?』って」

「女子大爆笑でさーww」

取り囲む女子たちが口々に言う。

この時私も居た。石恋さんの発言は面白かった。実に。

帆夏が『美桜さんの事が好きな人はだーれだ。』って自爆発言をして…。でクラスの女子は顔を見合わせながら

「あから始まる人だよねぇ~」って。それでふと『オヨッ』と石恋さんが戸惑って……

「え?秋山さん?」って。皆分かってたけどわざわざ言わなかったのに初めて知ったからなのか天然だからなのか言っちゃったんだよねぇ…。

そしたら、女子大爆笑な訳で。隣の更衣室で着替えてた人に気味悪がれたかもしれないけど。

「ま…私の好きな人は此処にはいませんがねぇ。」

意味深で私は呟く。きっと、聞こえるか聞こえないかぐらいの微かな声だから。独り言だから…聞こえないであろう。いや聞こえないで欲しい。

皆さんも気になるだろう私の好きな人は…秋山…じゃなくてよ?広報委員の委員長ですの...。話の流れに関係ないですがね。前置きなんて必要ないですがね。まぁいいでしょう。もう少し秋山さんを観察しますか。

「あーあーあー…成程ね。君は知ってるのか。帆夏の叶わぬ片想い...。でっ…うわぁそんなに好きなの…?引くわぁ...。でっでっ?あー…帆夏そんなに嫌いなの…。まぁ、黒歴史バラしてたしねぇ。」

ニコニコと笑いながら自己流の解析をする。これは面白い。五年二組万歳!!これはこれは…面白い恋ですのー♪

解析をしていると誰かがこちらへ向かってきた。

「あらぁ。面白そうのう…!」

「えっ!あっ...驚かさないでよ。七海!!」

私の親友の七海。広島から東京に引っ越してきた病院の院長の一人娘である。

「そんなことよりぃ...」

この後七海から重大な事を聞くとは思いもしなかった。

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タグ: お菓子 一話 小説

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